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CRMとは?CRMシステムを活用するメリットやチェックポイント

作成者: BI LAB編集室|2021年12月22日

CRMとは

CRMシステムとは「Customer Relationship Management」の略語で、日本語では「顧客管理システム」と訳されます。CRMは一見の顧客を常連客に育てたり、顧客と長期にわたって良好な関係を築いていくことをサポートするシステムです。

CRMを顧客台帳とみなしても良いでしょう。たとえば、百貨店には顧客台帳があり、台帳には購入年月、購入した商品などが記されています。最近では、顧客台帳は電子化されています。顧客台帳をデータベース、及び購買履歴に置き換えた百貨店も多いでしょう。

百貨店では、台帳に記されている顧客の購入履歴などに基づいて商品を勧めたり、顔馴染みの顧客とは趣味や商品について雑談したりします。

百貨店で行われている顧客管理や接客方法は、CRMシステムの手法と同じものです。

 

CRMシステムの必要性

多くの企業がCRMシステムに注目しています。CRMがこれほどまでに注目される理由はどこにあるのでしょうか。

ここでは、なぜ企業からCRMがこれほどまでに注目されているのか解説していきます。

顧客ニーズの変化に対応する重要性

現代社会では、市場や顧客のニーズが急速に変化しています。このような状況の中で、新規顧客の獲得とともに、既存顧客を引き留めておくには、市場の状況、及び顧客が求めているものをきちんと捉えておかなければなりません。

急速なスピードで変化する市場では、潜在的なニーズへのすばやい対応が求められる場面も多いはずです。

市場における主導権の変化

市場における主導権は、企業から消費者へと移り変わりつつあると言われています。

良い商品や優れたサービスを生み出せば、利益を上げられるという時代は過ぎ去りました。また、インターネットの普及によって、消費者は商品やサービスについて価格、機能、評価などを自ら簡単に比較することができます。

このような状況では、企業や商品をメインにしたマーケティング手法で利益を上げることが難しくなりました。顧客の視点に立ち、顧客中心のマーケティング手法へのシフトが求められるようになったのです。

市場や顧客の大きな変化に対応するツールとして、CRMシステムが生み出されました。

 

CRMシステムの機能

顧客管理に用いられるCRMシステム。CRMシステムにはどのような機能が搭載されているのでしょうか。

CRMシステムに搭載されている主な機能を紹介していきます。

顧客情報管理

顧客情報管理では、顧客の基本的な情報を管理します。氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、所属企業、役職といった顧客の個人情報などが含まれています。

あわせて、購買履歴、キャンペーン利用履歴、営業履歴、サポート履歴など、自社サービスを顧客がいつ、何を利用したかといった情報も保管できます。

ポイント、SNSアカウント、アンケート結果なども、CRMに紐付けて管理されることが多いです。

キャンペーン管理

顧客のキャンペーン参加の有無、アンケートデータなどを管理します。

メール配信管理

顧客にメールを送る場面も多いでしょう。店舗キャンペーン開催の一斉メールの他、顧客の誕生日などの個人メールを配信する際にCRMは役立ちます。

CRMでは、設定したセグメントに合わせてメール一斉送信したり、顧客に個別にメールを送信したりすることができます。

マーケティング

見込み顧客を自社の顧客に引き上げるため、シナリオメール、スコアリングなどのマーケティング機能を利用します。

既存顧客との関係性を継続することも、マーケティングでは重要です。顧客と長期間にわたって良好な付き合いをできるよう営業活動を行います。

SFA(Salesforce Automation)

セールスパーソンが営業を効果的に行えるようサポートするためのツールです。加えて、顧客情報を統合するための機能も搭載されています。

部署やチームのメンバーと記録した内容をリアルタイムで共有できる他、社外でも取引先情報について確認したり、入力したりすることもできます。

顧客分析

顧客情報に基づいて、顧客について多様な角度から分析を行い、新しい顧客インサイトの取得を目指します。

ソーシャルメディア管理

SNS上での企業との結び付きを管理して、SNS上のアクティビティ、及び発信している内容を把握します。

 

導入する際のコツ

CRMシステムは効果的に活用すれば、業務効率アップなどのメリットを得られますが、上手く活用できなかった場合にはコストばかりがかさんでしまうでしょう。

企業のCRM定着率は70%と言われており、30%の企業は導入したにも関わらず使わなくなってしまうようです。

ここでは、CRMシステムを導入する際のコツを3つ紹介していきます。導入したCRMを使いこなすためにも、導入前にコツをおさえておくことは重要です。

問題・課題を明確にする

CRMを導入するにあたって、問題をリストアップすることから始めましょう。CRMを導入することで、抱えている問題や課題を解決できるか確認します。社内でCRMを導入することで得られるメリットについて話し合っておくと良いでしょう。

「多くの企業がCRMを導入しているから、うちも導入しよう」といった漠然とした気持ちで導入しても、CRMを有効活用することはできないでしょう。

試用期間の有無

CRMシステムとはカスタマイズを繰り返しながら、業務効率化を目指すシステムです。そのため、ある程度の期間にわたって利用してみなければ、自社にとって効果的ツールか否か見極めることはできません。

試用期間中、CRMをカスタマイズを加えながら使ってみて、自社にとって有効なツールであるか判断することをおすすめします。

導入担当者、及び導入チームの選定

CRMシステムを導入するにあたって、CRMの担当者を決める必要があります。CRMの担当者を選任できるほど社員数に余裕があるのか、システム関係に詳しい社員はいるかがポイントになります。

CRMシステムの導入には時間がかかります。また、導入にあたってやらなければならない作業も多いです。CRM専任の担当者がいない場合、メインの仕事の片手間として作業が行われることになるため、導入まで時間を要することになるでしょう。

社内の人手が足りないにもかかわらず、CRMシステムの担当者を選任すると、従来の業務に支障が出たり、社員から不満の声が挙がったりすることもあるので気を付けましょう。

 

まとめ

本記事では、CRMシステムについて解説してきました。CRMは一見の顧客のナーチャリングや、常連客との関係性向上に効果的システムです。

顧客管理には紙ベースやExcelなどが用いられてきましたが、CRMによって顧客管理をコンパクトにすることもできます。働き方改革が唱えられる今日ですが、社員の業務負担軽減にも繋がるでしょう。

CRMは上手く活用すれば、効果を実感できる優れたツールです。しかし、使い方を誤ったり、目的をはっきりさせずに導入したりすると、その効果を感じられないケースも少なからずあります。

導入の際は、目的や抱えている問題をはっきりさせ、CRM担当者の選任を行うことをおすすめします。また、CRMシステムの選定にあたり、料金だけではなく、試用期間の有無についての確認も忘れないようにしましょう。