アドテクノロジー企業のTripleLiftは3月22日、1plusXの買収を発表した。今後は1plusXの特殊技術を活かし、第三者クッキーのない環境でもデータを適切にコントロール、個人情報を重視しながら、広告主と一般ユーザーの双方を利するような効果的なリーチを獲得することを支援し、最適な情報配信を叶えていくとした。
目まぐるしく変化するメディア業界は、貴重なユーザーに関係する情報をコントロールし、第三者クッキー、クロスドメインやクロスアプリターゲティング、オーディエンス選択など多様な技法を進化させてきた。
一方で人々のプライバシーに対する意識も変化し、ターゲティングをめぐるデジタル広告は再定義を迫られる時代にも突入している。
今回の買収を機にTripleLiftは、1plusXのデータ管理にかかる世界最先端プラットフォームを活かし、プライバシー重視時代の第三者クッキーを不要とした、大規模な次世代ターゲティング配信を可能にする。
これによりメディアはコンテンツの収益性を高め、広告主はブランドを毀損することなく、効果的なリーチを獲得できるようになるとされる。
1plusXはスイスのテクノロジー企業で、最先端のAI技術を基に、EUの個人情報保護規則(GDPR)に則したユーザー同意をベースとするAI駆動型のインテリジェンスソリューション・配信プラットフォームシステムを構築している。
クライアントから取り込んだデータを補完し、リアルタイムで精度の高いオーディエンスやアセットプロファイルに変換、そこから得られたユーザー行動インサイトを活用可能にするその仕組みは、プライバシー先進市場たる欧州市場ですでに広がりをみせている。
グローバルベースでも、第三者クッキーやアプリIDベースのシステムに代わる仕組みとして期待されており、メディアと広告主が自社アセットを自らコントロールできるようにするソリューション提供能力でも評価されている。
プライバシー保護と透明性を重視し、より有意義で個別化されたコンテンツと広告をオーディエンスに提示、リアルタイムデータ管理やデータクリーンルーム、CTVソリューションなどの機能を統合したサービスとしてビジネス支援に当たってきた。
TripleLiftは、自社のスケーラブルメディアマーケットプレイスを1plusXのリソースと組み合わせることにより、高いシナジーが得られるとする。
メディアは自社データ活用に1plusXの最先端技術を利用可能となり、広告主は同じデータをプライバシー重視時代のクッキーレスなターゲティングに活用可能となるという流れだ。
TripleLiftはすでにクッキーレスソリューションに馴染んでおり、データドリブンETD(Exchange Traded Deals・インプレッションに対するアウトカムベース型ターゲティング信号)を提供し、広告主のパフォーマンス向上を図っていく。
1plusXの好調なビジネスを発展させることにも取り組み、両社による製品ロードマップと新製品の市場投入も加速化させるという。
具体的には、メディアに対し、ダイレクト広告、プログラマティック広告の両販売をサポートする軽量なファーストパーティデータアクティベーション製品を提供、ニーズに基づいたカスタマイズを可能とする製品を共同開発する予定だ。
また、広告主には来年初頭にも、拡張性が高く、プライバシーにも配慮しつつ優れた効果を発揮するファーストパーティターゲティングの新ソリューションを提供する。このタイミングは、Googleが公表している第三者クッキー廃止の最も厳しい日程よりも大幅に早い。
なお買収後、1plusXチームは全員がTripleLiftへ加わる。TripleLiftは今後数カ月のうちに、彼らを自社の機能別チームに統合させていく予定とした。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
TripleLift プレスリリース(英文)
https://triplelift.com/blog/triplelift-acquired-1plusx/
TripleLiftによるプレスリリース(和文・PRNewswire)