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『Qlik Sense データアーキテクト認定』ってどんな試験?実際に受験してみました!

作成者: Lily|2024年6月20日

Qlik Senseの公式認定試験があるということをご存じでしょうか?3種類の試験がある中で、今回ご紹介するデータアーキテクト認定試験では、データモデルの要件定義からロードスクリプトを含む設計・構築、検証まで、Qlik Senseの開発に関する知識が広く問われます。この記事では、今回筆者が実際に受験してわかったことや、おススメの勉強方法・試験対策などをご紹介します!

試験概要

この章では試験形式・受験可能な言語・受験料・試験会場についてご紹介します。

詳細な情報については公式HPをご覧ください。

試験形式

形式

多肢選択式

問題数

50問

合格最低スコア

62%

私の受験した記憶の限りでは、全問四肢択一でした。(※バージョンによる違いやランダムである可能性もありますのでご参考程度でお願いします。)なお、筆者はビジネスアナリスト認定という別種の試験も受験したのですが、こちらは一問で選択肢を2つ選ぶ問題も多かったです。

受験可能な言語

2024年5月の現段階では、データアーキテクト認定は英語でのみ受験可能となっています。

英語を母国語としない場合、試験時間の120分に自動的に30分加算され、合計150分となります。しかしながら、本試験は上述の通り問題数が50問。30分加算されても、1問あたりに割ける時間は1分も増えない計算となりますので、英文読解が苦手な方には正直なところおすすめしづらい試験となってしまっています…。同じ公式認定試験であるビジネスアナリスト認定では、2022のバージョンで日本語での受験が可能になっています。日本語での受験を希望される方はそちらの受験も視野に入れてみると良いかもしれません。

受験料

2024年5月現在で受験料は$250+税で、日本円に換算するとおよそ税込み4万3千円ほどとなります(為替レートによって変動)。Qlik Sense 公式認定試験の受験はPearsonVUE経由での申し込みとなりますので、支払いは米ドルのみ、決済方法はクレジットカード(Visa・American Expres・ MasterCard)のみの取り扱いとなっています。

試験会場

最寄りのPearsonVUEテストセンターにてご受験いただけます(会場の検索はこちら)。会場によって予約できる日程・時間が異なっていますのでご注意ください。

試験対策

①練習問題を解く

まず、HPに練習問題があるのですが、こちらを初めて解く際は、ぜひ時間を計り(30分)、翻訳機能を使わず英語の原文のまま解いてみてください。

これは問題そのもののレベル感を把握する目的以外に、問題文の英語の難易度(時間内に読み切れるか、知らない単語があったとしても文脈で補える程度か、等)を知るという目的があります。一度解いて答え合わせをしたり、翻訳をかけて読み直したりすると、二回目以降はすでに見たことのある文なので、おおよその意味を理解している状態でしか挑戦できなくなってしまいます。そのため、初見で実際の受験時と近い状態で受けてみることが重要だと思います。

(※試験の英語については後程詳しく言及します。)

私は練習問題を、隙間時間に解いてしまったので、果たして自分が時間内に問題文を読み切ることができるのか正確に把握することができなくなってしまいました。このような事態を防ぐためにも一回目を解く環境には十分留意していただきたいです。

②不明点・気になる点を調べる

練習問題を解いた後は、知らなかったところやあやふやなところを公式のドキュメントやインターネット(もちろん弊社の記事でもOK!)等で調べてください。この練習問題には解説が存在しないので、解答の根拠がわからない場合は自力で調べる必要があります。

(ビジネスアナリスト認定の練習問題については、Qlik TECH TALKで使用されたスライドに解説がありますので、そちらを受ける場合はぜひ目を通してみてください。)

③手を動かして理解する

そして調べた後は、ぜひとも実際に手を動かして理解してください。試験では深い知識や実践的な内容が問われるので、「なんとなく理解した」くらいの感覚だと解けない可能性が高いと思いました。主だった使用方法が複数あるキーワードは、その内の1つだけではなく可能な限りすべての方法を試して理解しておいてください。

また、練習問題に出なかった部分も、試験の対象になりそうな部分は同様の手順でできるだけ理解しておきましょう。(当然ですが試験本番では練習問題とは違う問題が出ます。)筆者は3年ほどQlik Senseの開発経験がありますが、使ったことのない機能やキーワードが結構ありました。1つの目的を達成するのに代替手段がいくつかあっても、一度使ったことがある方法に頼ってしまって、ほかの方法は試したことがない…なんてこともあると思います。そのような部分の出題で痛い目を見ないためにも、ぜひこの機会に手を動かして自分のものにしてください!

英語について

最後に、多くの方にとって障壁となりそうな本試験の英語問題文について、文量・ビジネス英語・専門用語の3つの観点から所感をお伝えしたいと思います。前述のとおり、英語母語話者以外は30分間の試験時間追加があるものの、試験中に問題文の意味を辞書等で調べることはできませんので、すべて自力で読解していくことになります。

文量

今回受験して最も嫌だったのが文章の長さです。50問ある問題の多くは複数の文・複数の段落で構成された長めの文章で問われています。1文だけで終わるような、シンプルな一問一答の問題はありませんでした。(少なくとも2、3文~1段落以上だったと記憶しています。)

筆者は普段の生活でここまでたくさんの英文を辞書やネットなしで一気に読み込むことはめったになく、受験時は非常に集中力が要りました。途中から問題を解くことより英文を読むことに疲弊していました。

ビジネス英単語

ストーリーの背景説明のためにビジネス英単語が出てきます。日常会話ではあまり出ない単語も出てくるので、できれば一般的なビジネス英単語を勉強してあると文意がより理解でき安心だと思います。多少知らない単語があっても文脈から理解できる可能性もありますが、スクリプトや表・データモデルの画像などを伴わない、ひたすら英文だけの問題もありましたので、不安がある場合はあらかじめ準備をしておくと良いと思います。

なお、使用されている文法は基本的なものばかりでした。

専門用語

Qlik Sense開発絡みの専門用語が頻出します。スクリプトや数式で使う構文・キーワードはもともと英語ベースなので、その意味を日本語で覚えていらっしゃる方も多いでしょう。しかし、実際の問題では構文・キーワードがどのように機能するのかが英語で問われることがあるので、そのような説明部分に出てきそうな単語も覚えている必要があります。

公式Helpの英語版で、スクリプト構文とキーワード、関数等の部分を中心に一通り読み、不明な単語をリストアップするなどすれば、本番でも理解しやすくなるかと思います。

おわりに

ここまで筆者が受験した感想や試験対策について書いてきましたが、一番大事なのは本番150分を集中して乗り切るための気合かも、と思います!そのためにも試験前日はしっかり休息を取り、万全の状態で挑んでくださいね。

データアーキテクト認定試験は難易度の高い試験ですが、今回実際に受験して、それだけ取得する価値のある資格だと感じました。皆さんもぜひ挑戦してみてください!