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【Tableau】パラメータアクションで作る“動的ハイライト”のチュートリアル

作成者: Linda|2025年12月11日

はじめに

Tableauでダッシュボードを作っていると、「特定の商品だけに注目したい」「でもフィルターを掛けると他のデータが消えてしまい、全体の中での位置づけが分かりづらくなる」と感じる場面がありませんか?

そんなときに便利なのが、パラメータアクションを使った動的ハイライト表示です。

データを絞り込むのではなく、クリックした要素だけを強調表示することで、他の値を残したまま比較しやすい状態を作ることができます。

今回は Tableau のサンプルデータセット [サンプル - スーパーストア] を使い、実際に動くところまでをハンズオン形式で解説します。

ハンズオン:動的ハイライトを作る

 

STEP① ワークシート作成

新規ワークシートを作成し、次の構成で横棒グラフを作ります。
列: 売上
行: 製品名

 

 

STEP② ダッシュボード作成

下部の [新しいダッシュボードを作成] をクリックし、先ほどのワークシートをキャンバスへドラッグ&ドロップします。これで後述のアクション設定が可能な状態になります。

 

STEP③ パラメータ作成

ワークシートに戻り、以下の内容でパラメータを新規作成します。

名前: 選択商品
データ型: 文字列
その他の項目: 初期値

 

 

 

パラメータは「選択された要素を保存する箱」の役割を果たします。

 

STEP④ パラメータアクション作成

ダッシュボード画面で

[ダッシュボード] → [アクション] → [追加] → [パラメータ変更]

を開き、次のように設定します。

アクションの実行対象: 選択
ターゲットパラメータ: 選択商品
ソースフィールド: 製品名
そのほかの項目: 初期値

 




 

これにより、グラフのクリックで選んだ製品名がパラメータに代入されるようになります。

 

STEP⑤ 判定用の計算フィールド作成

次に、計算フィールドを作成します。計算フィールド名にはお好きな名前を付けてください。  ここでは「判定フィールド」とします。

IF [製品名] = [選択商品] THEN "選択"      
ELSE "その他"                  
END                       

この計算フィールドは「選択値かどうか」判定して色を制御する役割を果たします。

 

STEP⑥ 色付けによるハイライト設定

作成した計算フィールドをマークカードの [色] にドラッグ&ドロップします。

クリックした製品だけ色が変わるようになります。



また、画面右に表示されている、[計算フィールド名]横の▼ → [色の編集]から好みの色に変更可能です。


これで、バーをクリックすると選択した製品のみが強調表示され、他の製品の分布を残したまま比較できる状態になります。
これが今回作成した「動的ハイライト」です。

 

仕組みの整理

今回行った構成は、3つの要素の組み合わせで成り立っています。

要素 役割
パラメータ: 選択された値の保存場所
パラメータアクション: クリック値をパラメータに代入
判定用計算フィールド: 表示の切り替え制御

 

これらを組み合わせることで、選択に応じた表示切替が可能になります。

 

フィルターとの使い分け

フィルターは「条件に合うデータだけを表示したい」ときに最適です。

一方、動的ハイライトは「全体を見たまま注目点を目立たせたい」ときに使うと効果的です。

  • 絞り込みたい ⇒ フィルター

  • 比較を残したまま注目させたい ⇒ 動的ハイライト

という使い分けが可能です。

応用アイデア

同じ仕組みは次のようなケースにも応用できます。

  • 月をクリックして年間推移をハイライト

  • 担当者を選んで KPI を強調表示

  • 地図クリックによる地域強調

まとめ

今回紹介した動的ハイライトは、
「データを絞り込まず、全体を見たまま注目点を強調したい」という場面で特に効果を発揮します。

パラメータとアクションを組み合わせるだけで

  • クリックした要素のみを自然に際立たせられる

  • 他のデータも残るため比較の流れが途切れない

  • ダッシュボードに操作性とストーリー性を加えられる

といったメリットがあります。

特にKPIレビューやランキング分析、地域比較など「全ての状況も把握したいが、今はここに注目してほしい」というダッシュボードでは、動的ハイライトを積極的に取り入れるのがおすすめです。

Tableauでの可視化表現にぜひ取り入れてみてください。