3 分で読むことができます。

データから知恵へ ~DIKWモデルで読み解くデータマネジメントの未来~

執筆者 Kin-chan 更新日時 2025年6月25日

目次

はじめに

皆さんこんにちは! Kin-chanです。

今回の記事ではDIKWモデルについてまとめてまいります。

DIKWモデルは、データから知恵に至るまでのプロセスを説明するフレームワークであり、ビジネスの意思決定に重要な役割を果たします。

DIKWモデルとは

DIKWモデルは、データ(Data)、情報(Information)、知識(Knowledge)、知恵(Wisdom)の4つの階層からなるフレームワークです。

このモデルは、何も加工されていない生のデータ(Data)が情報(Information)に変換され、さらに知識(Knowledge)となり、最終的には知恵(Wisdom)として応用される過程を示しています。

表1.DIKWモデルとは

DIKW 内容
データ(Data) データそのもの(素材) 2025、4、16、16、40、 35.660116、139.977836、南、11.8
情報(Information) データに文脈を与える 2025年4月16日16時40分の緯度: 35.660116 経度: 139.977836の地点で南風が風速11.8m/sだった
知識(Knowledge) 情報とノウハウを
組み合わせる
緯度: 35.660116 経度: 139.977836の地点(千葉県船橋市の船橋漁港付近)は北側が陸地(岸壁)である為、南風が吹くと白波が立ちやすいので、船橋漁港に多く存在する5トン未満の漁船では波の影響を受けやすい
知恵(Wisdom) 知識を行動に促す状態にする 南風が吹く予報のときは漁に出るのをやめよう

 

さらに他のデータを組み合わせ「同じ地点で2024年7月11日の朝5時は東風が2m/s、昼12時は南風が12m/sだった」が追加されることで、「船橋漁港近辺では、夏場は南風が吹く傾向が強く、漁に出られなさそうに見えるが、明け方は南風が吹かない傾向があるので時間帯を選べば漁に出ることができる」のような知恵が得られるようになります。

ついつい前職の絡みから海にまつわる例を挙げてしまっていますが、ビジネスにつなげる例を挙げれば以下のようなアイスクリーム屋さんの例があります。

表2.アイスクリーム屋さんへDIKWモデルを当てはめる

DIKW
データ(Data) 日次の売上
情報(Information) 日次売上を集計する(月次、四半期、年次)
知識(Knowledge) 夏は暑いからアイスクリームの売り上げが良い
寒いのに12月24日前後の売り上げが良い
知恵(Wisdom) 夏場に繁忙期を迎えるのでスタッフを揃えるところに注力する
クリスマスに向けてアイスクリームケーキもよく売れている

 

このプロセスは、データマネジメントやビジネスインテリジェンスの分野で特に重要視されています。データを単なる数値や文字の集まりとして見るのではなく、それを価値のある情報や知識に変換し、最終的には戦略的な意思決定に役立てることが求められます。

 

データマネジメントにおけるDIKWモデルの重要性

データマネジメントにおいてDIKWモデルは、データを価値ある資源に変換するための基本的なフレームワークとして極めて重要です。データを単なる数値や文字の集まりとして捉えるのではなく、それを情報、知識、そして知恵に変換することで、組織全体の意思決定プロセスを大きく改善することができます。

特に、ビジネスインテリジェンスやデータ分析の分野では、DIKWモデルを活用することで、より効果的な戦略立案や問題解決が可能となります。

 

しかしながら、ただ闇雲にデータを集める、は下策とされています。また、明確ではない仮説を基に知恵を生み出す、も下策だとされています。なんでも闇雲にやったんじゃだめですよ、ということですね。

料理に例えると、前者の例は「いい料理人がいても素材の鮮度が悪いと美味しくない料理に仕上がるだろう」し、後者の例は「せっかく最高級の素材があっても調理する人が素材を活かした料理にできない可能性が高い」ことが言えますよね。どちらの例ももったいない。

 

データエンジニアリング分野においては以下のようにデータ分析基盤を構成している事例が多いです。

表3.データ分析基盤とは

  データレイク データウェアハウス データマート
どのようなデータが存在するか 生データ 生データを整理 データウェアハウスから
データを取得し
人間が見やすい形にする
存在するオブジェクト Rawデータ マスタデータ、トランザクションデータ BI、ビュー

 

データレイクに生データを格納し、データウェアハウスでマスタやトランザクションの各データを整理し、データマートで用途に応じて必要なデータを取り出すという流れは、まさにDIKWモデルで言うところのデータ - 情報 - 知識 - 知恵につながる流れに似ていますね。

そういう意味ではデータ分析基盤ではDIKWモデルが活用されていると言えるでしょう。

 

おわりに

この記事ではDIKWモデルがデータから知恵を生み出すまでのプロセスをどのように体系化し、ビジネスの意思決定やデータマネジメントにどれほど重要であるかを解説しました。DIKWモデルは、単なるデータ収集にとどまらず、意味のある情報や実践的な知識、そして最終的には具体的な行動につながる知恵へと昇華させるための道筋を示してくれます。

DIKWモデルは、データマネジメントの未来を考える上で私たちがデータとどのように向き合い、それを最大限に活用していくべきかを示唆する強力なフレームワークと言えるでしょう。データから真の知恵を生み出し、より良い意思決定へと繋げていくために、DIKWモデルの考え方をぜひ活用してみてください。

 

BIツールを体験してみませんか?

INSIGHT LABでは、BIツールの無料紹介セミナー(動画)を配信しています。初めてBIツールをご利用される方を対象に、BIツールの概要や、複数あるBIツールの違いについて分かりやすくご説明いたします。

セミナー一覧はこちら

Kin-chan

執筆者 Kin-chan

千葉県船橋市出身・在住、44歳のIT業界ほぼ未経験のおじさん。前職では水産物(アサリやホンビノス貝などの2枚貝)の卸売小売(漁師さんから仕入れて、卸売市場への販売や通販サイト等で直接販売)の商売を経営していました。当時知られていなかったホンビノス貝をもっと知ってもらう活動やホンビノス貝の自動販売機、地元船橋の皆さんをつなげたくて朝市の開催なども手がけました。

 

最新記事

9 分で読むことができます。

ELTで実現!高速かつ柔軟なデータ処理