BIツールとは、「Business Intelligence(ビジネス・インテリジェンス)ツール」の略であり、ビジネスインテリジェンスを行うアプリケーションソフトウェア(ツール)を表す言葉として用いられています。
BIツールはデータの収集、蓄積、分析をスピーディに行うことを目的に開発されました。BIツールの導入によって、社内外のデータ収集、可視化を効率よく行うことが可能に。データから現状を正確に把握し、原因を抽出した上で、ビジネスの方向決めにおける意思決定のサポートをしてくれます。
データの収集・分析を人の手で行うには、膨大な時間、手間、費用などがかかります。BIツールを使うことで、作業時間の軽減、トラブルの早期発見といったメリットを享受できるようになります。
BIツールは比較的新しいツールであることから、機能や使い方のノウハウがあまり浸透していません。そのため「BIツールを導入したけれど使い物にならない」「BIツールの効果が今一つ見えてこない」といった意見も少なくありません。
ここでは、BIツールの失敗例を5つ厳選して紹介していきます。
BIツールを導入してみたけれど、自社の利益向上や業務に役立つデータを収集できないまま、使われなくなったというケースが多くあります。
このパターンの特徴は、BIツールの効果を一度も実感できていないところにあります。導入時はBIツールを使いこなそうと意欲を持っていたものの、使い方が分からなかったり、効果が可視化できなかったりするあまり、利用を途中で辞めてしまう企業も少なくないのです。
BIツールの化石化とは、導入当初は使用していたものの、担当者の異動でツールを使える人材がいなくなるなどして、いつの間にか使わなくなってしまったというパターンです。
BIツールが自社に導入されていることを数年ぶりに思い出した社員がいても、システムが業務の変化についていけず、使い物にならなくなっていたというケースもあります。
BIツールを社内に導入することが決まっていたのに、現場と情報部門の間で導入に向けてのやりとりがうまくいかないことも。現場と情報部門で情報の共有がうまくいかなかったあまり、現場が求める機能とは異なるツールを導入してしまう例も存在します。
また、現場と情報部門間で情報のやりとりができず、BIツールの導入にすら辿り着けないこともあるでしょう。
BIツールを現場や部署ごとに導入したため、複数のツールが社内で稼働しているケースもあります。
複数のBIツールを導入してしまうと、様々なデータが無秩序に行き交うため、データ量が多すぎて処理が滞ったり、必要なデータが分からなくなったりします。
複数のBIツールが社内で稼働していると、セキュリティ対策も複雑化するので注意してください。
BIツールの導入が決定したものの、現場から仕様について細やかな要求や相談があり、導入が進まないというケースも珍しくありません。BIツールは製品によってサポート機能が大きく異なります。また、種類も多いため、導入する製品を決定するまでに時間がかかることも多くあります。
稼働後も業務内容が変化する度に修正が必要になるため、使い方によっては時間やコストがかかります。BIツールの選択・調整にばかり労力を注ぎ、本来の業務が進まなくなってしまうケースも少なくありません。
せっかくBIツールを導入するからには、その効果をしっかりと得たいところ。誰もがBIツールの効果を得られないまま、お蔵入りすることを懸念しているでしょう。
そこで、BIツールの導入で失敗しないために準備するべきことを解説していきます。
まずは、BIツールを導入する目的をはっきりさせましょう。
BIツールの機能は以下の通り様々です。
BIツールの導入にあたって、導入の目的、導入によって得たい効果を明確にし、目的に合ったツールを選ぶことが大前提です。目的に合わないツールを選択した場合、いくらすばらしいツールであっても、その効果を実感することはできません。
日本企業の多くは、社員を数年単位で異動させています。導入時のメンバーはBIツールの使い方を知っているけれど、新しく来た社員は使い方を知らない場合、BIツールが化石化してしまう危険性があります。
現場の社員全員が、簡単な微調整、データの抽出、ダッシュボード、レポートのカスタマイズなどをできるようにしておくと安心です。最近では、修正などを簡単にできるBIツールも増えてきています。
BIツールは1つの部署だけでなく、部門を超えたあらゆるシステムの情報を集積・分析できます。BIツールを利用して分析を行う部門とBIツールを導入して情報を収集する部門の間では、常に連携体制をとる必要があります。
各部門で共通するマニュアルの作成、共同研修を行うなどして、BIツールに携わる人たちの間で共通認識を持てるようにすることをおすすめします。
欧米では、ツールに対して細かな業務を合わせると言われています。一方日本では、システムの調整が業務に合うよう細部にいたるまで完了しなければ、導入に至らない傾向にあるようです。
BIツールを選ぶ際、導入する製品をやみくもに選択することは危険です。しかし、完璧を求めすぎることも、導入が進まなかったり、本来の業務が疎かになったりすることからおすすめできません。
ビジネスは日々変化するものなので、導入時に完璧なシステムでも、時間がたてば陳腐化してしまいます。そのため、必要最低限の使用設定を行った後に導入し、とりあえず利用してみると良いでしょう。
導入成功事例を持つ企業の社員の多くが、完璧に調整されていないツールであっても、その効果を実感しています。「迷った時にデータを頼れるようになった」「数字の裏付けがとれる」といった効果は、業務に細部まで合わせたツールでなくても、感じ得ることができるはずです。
BIツールを導入することで、
社員の業務負担の軽減、企業の利益率アップなどの効果を期待できます。
しかし、自社の目的に合わないツールを導入してしまったり、
社内での情報共有を怠っていたりすると、
高性能のBIツールであってもお蔵入りとなってしまうでしょう。
BIツールの効果を最大限得るために、
導入の目的を明確化し、社内の体制を整えておくようにしてください。
導入の目的が定まったら、
次は、実際のBIツールを選定していきます。
INSIGHT LABがオススメするBIツールについて、
以下記事で紹介しています。