BIツールを分類する大きなポイントの1つは、ツールの提供形態の違いです。
ベンダーのサーバー上に自社のデータをアップロードし、データを加工したり可視化するタイプのクラウド型と、自社のサーバー上にインストールし、すべてを自社で管理するオンプレミス型の2種類があります。
当然ながらベンダーのサーバー上で操作できるクラウド型の方が、
導入も管理も比較的容易となります。
データベースやセキュリティなどの専門的な知識を持ったスタッフを大勢配置する必要がありません。しかしその分データ操作の柔軟性は低くなります。
一方、自社のサーバー上にインストールするオンプレミス型は、
自社内のデータベースとの接続やデータ処理の柔軟性が高く、
一貫した流れを細部まで管理できるため、
大規模で複雑なシステムを保有する大きな規模の企業におすすめです。
ただし、システム構築には専門的な知識と時間、コストがかかるため、人材の確保や社内の各部門との調整ができる担当者の配置など、検討すべき項目が多くなります。
上記の点を踏まえて、実際にBIツールを選ぶポイントを紹介します。
BIを導入する際に何よりもまずすべきことは、目的とゴールの明確化です。BIは膨大に存在するデータから「勝手に」有益な情報を見つけてくれる魔法のツールではありません。
あくまで社内外に存在するデータを収集し、目的に沿ってデータを結合したり統計計算などを用いて解析し、その結果を誰にでも分かるように可視化するという一連の作業を、単純化・自動化することで意思決定をサポートするものです。
例えば毎月の財務状況を過去の実績と比較し、異常な傾向があればアクションを起こすという目的とゴールを設定したとします。BIツールによって、過去の財務データを保存してあるデータベースから必要なテーブルを抽出し、データを加工、時系列で売り上げや支出などの指標のトレンドをグラフで表示するなど、全体的な流れを把握することができます。
このように、データをどのように利用するかについて具体的なイメージを持つことが重要です。
データ処理の流れが一般的なものであれば、カスタマイズする必要性は低いかもしれません。しかし、データベースやデータの処理が複雑であった場合、一連のプロセスのなかの一部をカスタマイズする必要性が出てくる可能性があります。
特別な対策が必要になる場合に備えて、予めデータ処理のプロセスを可視化しておくと良いでしょう。そうすればベンダーやIT部門と調整する際に、その処理の可否を判断できるはずです。
多くの場合、BIツール自体の操作は専門家でなくても、トレーニングを受ければ誰でもできる簡単なものです。一方で、データベースとの接続や初期導入の操作、エラーが発生したときの対処、改善要望が出た際の対応など、企業規模や利用目的によって、必要となる担当者のスキルレベルは変わってきます。
導入はしたけれど知識を持つ担当者がいない場合には、外部から採用するなどの対応が必要となります。事前にBIツールの導入や運用に必要なスキルレベルを明確にしておきましょう。
導入コストとランニングコストは提供形態によって大きく変わります。ベンダーのサーバー上で運用するクラウド型の場合、一から新たに環境を構築する必要がないため、初期にかかるコストは比較的安価です。また、基本利用料に加えて利用者単位で費用が増える従量制をとるケースが多くあります。
一方、自社サーバー上で運用するオンプレミス型の場合は、新たな環境構築が必要になる分初期投資は一般的にクラウド型よりも高額になります。また、既存のシステムが多岐に亘り、BIを用いた分析・可視化プロセスが複雑になるほど、高度なスキルを持った人材が必要になるためコストも高くなります。
BIツールの導入には、ベンダーからの支援が欠かせません。企業ごとにデータの保有環境や利用環境は異なり、マニュアルですべてを解決できるケースは稀です。そのためどのようなサポート体制を敷いているかを確認することは、スムーズにBIツールを用いたデータ活用体制を作るために非常に重要です。
BIツール操作者のために無償でトレーニングを提供している場合もあるので、予めベンダーに導入後のサポートについて確認しておきましょう。
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ここからは、主要なBIツールを紹介します。
Qlik Senseはデータ操作に詳しくなくても直感的な操作を可能にするBIツールです。エクセルやCSV形式のデータをクラウドにアップロードすることにより、簡易的な操作で集計したり、可視化することができます。
Qlik Senseは、以下ページで詳しく紹介しています。
QlikViewは分かりやすい操作で高度な分析が可能なBIツールです。
データ表示の高速性が特徴で、ユーザーの立場にあった柔軟な分析と結果が表示されます。
QlikViewは、以下ページで詳しく紹介しています。
Sisenseは、Embedded Analitics (埋め込み型の分析)に特化したデータ分析プラットフォームとして市場で高く評価されており、様々なSaasサービスで利用されています。
自社プロダクトなどへの埋め込みを目的としてBIツールをお探しでしたら、
第一優先で検討していただきたいBIツールです。
📃⾃社プロダクトにOEMでBI実装を成功させる7つのステップ
さらに、大量で複雑なデータセットを高速に分析でき、ITに詳しくないビジネスユーザーでもドラッグ&ドロップでデータ分析や、可視化など多くの操作が完結する使いやすいBIツールです。
サーバー上でのデータ処理においては、独自のin-chip技術を用いて高速化を実現し、大規模なデータ結合や、多数の同時ユーザー環境において優れたパフォーマンスを発揮します。
Sisenseは、以下ページで詳しく紹介しています。
ビッグデータ分析を主要機能に持つLookerは元々2013年にシリコンバレーで創業したLooker Data Science社が開発しました。2019年にGoogleによって買収され改良が進められています。次世代BIと呼ばれ専用のデータベースはなく、外部のクラウドデータベースを利用します。
Lookerは、以下ページで詳しく紹介しています。
Tableauとはその直感的なインターフェイスと、圧倒的なビジュアル分析により、分析者に限らず
全てのユーザーから高評価を得ているBIツールです。国内外コミュニティ活動が活発に行われ、日本語リソースも多く存在し、疑問や悩みもすぐに解消できます。また2019年にSalesforceに買収され、近年はSalesforce製品との連携強化が進められています。
Tableauは、以下ページで詳しく紹介しています。
ThoughtSpotは、2012年にカリフォルニアで創業したThoughtSpot社が提供するBIツールです。データベースやBI操作に詳しくないユーザーでも、AIによって数億ものレコードの大規模データから重要な洞察を導けるようにサポートします。
DOMOは世界中の企業での導入実績を持ちます。データの統合から分析・可視化まで容易に実行できるように設計されており、抜群の使いやすさが特徴です。
>>DOMO
Power BIはマイクロソフトが提供するBIツールです。オフィスやTeamsなど他のマイクロソフト社製サービスとの親和性も高く、データの分析や可視化、得られた洞察を共有することも容易です。
WebFOCUSは、誰でもどこでも使えるBIツールとして謳われています。Webブラウザ経由でアクセスするので、どの端末からでもアクセスが可能で、見たいときにいつでもデータを確認することができます。
Amazon QuickSightは、サーバー不要のクラウド型BIプラットフォームです。インタラクティブなダッシュボードを容易に作成し、共有することが可能。対話形式の検索でデータから洞察を得ることもできます。
ここまでBIツール導入前にチェックすべきポイントや選び方、主要なBI製品について説明しました。企業内にデータ活用環境を構築するには、BIツール導入前の検討作業が非常に重要です。
本記事を参考に、適したBIツールを選定してください。
まずは、無料のBIツールで試したい!という方は、以下の記事を参照下さい。