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【Sisense Data Modeling】COVID-19感染者増に影響?人口増減率を取り込んでみる

執筆者 Turtle 更新日時 2020年10月16日

Topics: Data Modeling
【Data Modeling】COVID-19感染者増に影響?人口増減率を取り込んでみる

目次

シャローム!Sato-Gです。
新型コロナの緊急事態宣言が解除となったので、感染が続く東京から感染者が激減している大阪に出張。
大阪の市中の様子は普段と変わらないけど、夜の街はお店は営業しているものの客は少ない。
むむむ...大阪は日中はそこそこ人手が出ているが、夜は自粛されている?

それに比べ、ここ数日の東京の感染者はまた増えてしまった。
いわゆる「夜の街」の感染者が増えていると報道されているが、やはりTVで見る限り、コロナ自粛のストレスから解放された人たちが「夜の街」に繰り出しているように見える。
実際どうなのだろうか。地点別の人口増減データを使用して実証していこう。

1.人口増減率データのダウンロード方法

ドコモ・インサイトマーケティング社が提供している「モバイル空間統計」というサイトで、主要エリアの人口増減率を毎日更新し、公開している。
計測時刻は毎日15:00時点のデータである。
▼モバイル空間統計のURL
https://mobaku.jp/covid-19/

尚、このサイトからCSVファイルをダウンロードできるようになっており、このURLを指定してダウンロードすればよい。

ダウンロードされる増減率一覧.csvというファイルは以下のような形式だ。

増減率は
・感染拡大前比
・緊急事態宣言前比
・前年同月比
・前日比
の4つの指標で計算されている。

2. データモデリング

2.1 処理フロー

尚、日付は列追加されていくので、このままでは使えない。
よって、アンピボット(縦持ち)変換する必要があるが、列が決まっているならSQLで変換可能だが、列が増えていく場合はSQLで変換することはできないので、今回は別のツールで変換を行うようにした。

処理の流れは以下のとおり
モバイル空間統計の増減率一覧.csvファイルをダウンロード
②アンピボット変換
③ ②の変換後データを取り込む

尚、地点毎の緯度経度のデータ(地点マスタ)を準備し、こちらも一緒にSisenseに取り込む。
これでMAP上で表示できるようになるはずだ。

2.2 取り込むファイル

取り込むファイルは次の2つとなる。ここからダウンロード可能。
・人口変動データ.csv(増減率一覧.csvからアンピボット変換したもの)

・地点マスタ.csv(Sato-G作成)

2.3 ElastiCubeの構成

WEB-ECMで取り込んで、地点でリレーションを設定しておく。
データモデルはこんな感じになる。

3. ダッシュボード作成

3.1 ダッシュボード構成

取り込んだデータを基に簡単なダッシュボードを作成してみた。

❶感染者推移
感染者の推移を表している。対応するフィルターは「受診都道府県」と「確定日」となる。

❷平均増減率
増減率の平均を表している。対応するフィルターは「年月日」「地点」「区分」となる。

❸地点別増減率
地点別の増減率の表している。対応するフィルターは「年月日」「地点」「区分」となる。

3.2 人口増減率の分析

感染者の多い東京都と感染者の少ない大阪を比較してみる

■緊急事態宣言前比
まず緊急事態宣言前について東京と大阪で比較してみる。

まず、新型コロナへの対応として以下の3つうの基準日を押さえておく。
政府の緊急事態宣言の解除は5/25
東京都の東京アラート発動6/2
東京都の東京アラート解除6/11

東京都では5/25以降、徐々に増え始め、現在は緊急事態宣言前とほぼ同じ水準となっている。渋谷センター街、立川駅、新宿駅は常に宣言前を上回り週末の人手も多い。銀座はまだ抑えられているようだ。
それ以外は、羽田空港を除き、平日の人口も宣言前水準まで戻っている。

大阪では、特に梅田、難波が東京の渋谷センター街、立川駅、新宿駅と同じような推移をたどっているが、5月末頃から宣言前を常に上回っている。週末は宣言前の40%増となっており、東京以上の人手となっていることがわかる。

■前年同月比

東京の前年同月比も徐々に増えつつあるが、渋谷センター街、立川駅、新宿駅で約30%減、ビジネス街では50%減前後となっている。

大阪では堺東駅周辺が前年とほぼ同一水準に戻っている。おそらく宣言前でもさほど抑制されていなかった可能性が高い。
梅田、難波は徐々に増え、今週に入り25%減前後にまで戻っていることから徐々に前年並みに近づいていくものと見られる。

3.3 考察

以上より、ドコモさん提供の人口増減でみる限り、現段階ではビジネス街では半分程度の人口でテレワーク化などの効果が継続しているが、ショッピングや飲食用途の人手は戻りつつあり、既に宣言前を超えてきているように見える。
しかも6/2~6/11の東京アラートが人口増減に何か影響を与えたとは思えない。
確かに自分の意識で何かが変わったかというと、ライトアップが変わったくらいの意識しかなかった(元々僕は持病があるので、かなり意識は高いほうなのでまだまだ自発的に自粛している)。
このところの東京の感染者増は5/25以降の自粛明けに起きているのは間違いないし、今後、緊急事態のような自粛要請はなさそうなので、感染者が減少するとは考えにくい。

4. まとめ

感染者推移と地点別人口増減データを利用して分析してみると「ウィズコロナ」の覚悟で生活していくしかないと感じた。
一人ひとりの生活様式の変容がますます重要となる。

最後に現在のダッシュボードの状態ではユーザビリティが悪すぎて、分析に集中できない。
主な問題点は以下のとおり

・感染者数推移と人口増減において、時間軸、都道府県の絞り込みが分離している
・同一グラフ上で感染者と人口増減の関係を比較できない
・フィルターの絞り込みに依存しており、都道府県間の比較を同時に行うことができない

次回以降、データモデリングをやり直して、ブラッシュアップしていきたい。

ではまた!

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