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【AutoML】DataRobot, AWS SageMaker Canvas, Google Teachable Machine 比較

執筆者 橋口 更新日時 2023年12月14日

目次

1. はじめに

以前、DataRobot、AWS SageMaker Canvas、Google Teachable Machine という3種のAutoMLツールについて学習したので、本記事ではそれらの機能などを比較したいと思います。

AutoMLの価値

  • 自動化された機械学習(AutoML)は、データサイエンスと機械学習の領域を変革しています。従来、機械学習モデルの開発は高度な専門知識を要し、時間がかかるプロセスでしたが、AutoMLはこれを簡略化し、より多くの人にアクセス可能にしています。

  • AutoMLツールは、モデルの選択、特徴量エンジニアリング、ハイパーパラメータのチューニングなどの複雑なプロセスを自動化し、効率的なモデル開発を可能にします。

比較対象のAutoMLツール

以下3つのツールの特徴、使いやすさ、適用範囲、コストなどを比較します

  • DataRobot: 高度なAutoMLツールで、多彩なデータセットと複雑なモデルに対応。強力な分析機能と広範なカスタマイズオプションを備えています。

  • AWS SageMaker Canvas: AWSのエコシステムを利用した、ビジネスユーザー向けの簡単なAutoMLツール。データの視覚化や分析が容易で、コーディングの必要がありません。

  • Google Teachable Machine: ユーザーフレンドリーで、非技術者も容易に使えるインターフェイスを持つツール。画像、音声、ポーズといったタイプのデータに対応しています。

2. DataRobot

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概要

DataRobot は、高度な機能を備えた企業向けの AutoML プラットフォームです。これは、データサイエンティストやビジネスアナリストが効率的にデータ分析と機械学習モデルの開発を行うためのツールです。

主な機能

  • 自動化されたモデル構築と選択: DataRobot は、数百もの機械学習アルゴリズムから最適なモデルを自動的に選択し、トレーニングします。ユーザーはデータをアップロードし、ターゲット変数を指定するだけで、DataRobot が自動的にモデル構築を行います。

 

  • 進化した解釈可能性と説明性: DataRobot は、各モデルの予測に影響を与える因子を明確に示す機能を提供し、モデルの意思決定プロセスを透明にします。これにより、非技術的なステークホルダーもモデルの動作を理解し、信頼することができます。

 

  • 詳細な分析とレポート: モデルの評価、特徴量の重要度、予測の説明など、詳細な分析機能を提供します。

その他特徴

  • 高度な分析オプションとカスタマイズ性

    • DataRobotは、複雑なデータセットや高度な分析要件に対応しており、ユーザーはモデルのカスタマイズや微調整を行うことができます。

  • 価格体系とターゲットユーザー

    • 企業レベルのツールとして、DataRobot は高度な機能を反映した価格設定をしています。主に大企業や専門のデータサイエンティストが対象です。

  • 利用シナリオ

    • 高度なビジネス分析、リスク管理、顧客行動予測、需要予測など、企業が直面する複雑な問題に対するソリューションを提供します。

  • 制限

    • 高価格と複雑さのため、小規模ビジネスや技術的な知識が限られたユーザーにはあまり適していません。

DataRobot は、データサイエンスの専門知識を持つユーザーや、機械学習を活用してビジネスプロセスを最適化したい企業に最適なツールです。高度な分析機能と柔軟なカスタマイズオプションにより、様々な業界やビジネスニーズに対応する強力な機械学習モデルを構築できます。

DataRobot 実際の使用感に関しては、こちらの記事を参照ください。

https://knowledge.insight-lab.co.jp/aidx/automl_tool_intro_datarobot

3. AWS SageMaker Canvas

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概要

AWS SageMaker Canvas は Amazon Web Services が提供するユーザーフレンドリーな AutoMLツールです。プログラミングやデータサイエンスの専門知識がないビジネスユーザーやアナリストでも直感的に利用できるよう設計されています。


主な機能

  • ドラッグアンドドロップインターフェイス: コーディングなしでデータセットを簡単に操作し、モデルをトレーニングできる直感的なインターフェイス。

 

  • データの視覚化と分析: データの探索、可視化が可能で、洞察を得やすくなっています。

 

  • 統合されたAWSサービス: AWSの他のサービスとの統合により、データストレージや分析ツールとシームレスに連携できます。

その他特徴

  • インテグレーションと拡張性

    • AWSの豊富なエコシステムを活用し、データ保管からモデルトレーニング、デプロイメントに至るまでのプロセスを一貫して行うことが可能です。

  • 利用のしやすさ

    • ビジネスユーザーやデータ分析初心者にとっても簡単に使えるよう設計されており、コーディングスキルがなくても高度な機械学習モデルを作成できます。

  • 対象ユーザー

    • データサイエンスの専門家ではないが、データに基づく意思決定を行いたいビジネスアナリスト、マネージャー。

  • 制限

    • SageMaker Canvasは広範なユーザーに対応していますが、高度なカスタマイズや複雑なデータサイエンスの操作には限界があります。また、AWSエコシステム外のツールやデータソースとの統合には制約がある場合があります。

AWS SageMaker Canvas は、ビジネスユーザーやアナリストにとって、データサイエンスの能力を手軽に利用するための強力なツールです。AWSの豊富なリソースと統合することで、データ駆動型の意思決定をサポートします。

SageMaker Canvas の実際の使用感についてはこちらの記事を参照ください。

https://knowledge.insight-lab.co.jp/aidx/-aws-sagemaker-canvas-how-to-use

4. Google Teachable Machine

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概要

Google Teachable Machine は、Googleが提供するユーザーフレンドリーなAutoMLツールです。このツールの主な目的は、機械学習に関する専門知識がない人でも、簡単にカスタム機械学習モデルを作成、トレーニングし、デプロイできるようにすることです。

主な機能

  • Webベースのノーコード機械学習: Google Teachable Machineは、Webブラウザからサイトへアクセスするだけで使用することができ、コーディングや機械学習の専門知識が不要で、ユーザーはドラッグアンドドロップや数クリックだけでカスタム機械学習モデルを作成できます。

 

  • 画像、音声、ポーズの認識: Google Teachable Machine では、画像、音声、身体のポーズなどを判別することができます。

 

  • リアルタイムフィードバック: ユーザーはリアルタイムでモデルのパフォーマンスを確認でき、即座にフィードバックを得られます。これにより、トレーニングプロセスを理解しやすくなり、必要に応じて素早く調整を行うことが可能です。

           

その他特徴

  • 利用のしやすさ

    • プログラミングや機械学習の専門知識がなくても、誰でも容易に使用できます。特に教育や初心者向けの機械学習の導入ツールとして適しています。

  • 主な適用分野

    • 教育目的、趣味のプロジェクト、簡単なプロトタイピングなど、機械学習を初めて学ぶ人やカジュアルなユーザー向けです。

  • 制限

    • 高度なカスタマイズや複雑なデータセットには対応していません。また、商業的な大規模プロジェクトや詳細なデータ分析には向いていない場合があります。

Google Teachable Machine は、機械学習の世界への入門として、または概念実証のための迅速なプロトタイピングツールとして理想的です。このツールは、機械学習の敷居を下げ、より多くの人に機械学習の基本を学ぶ機会を提供します。

Google Teachable Machine の実際の使用感についてはこちらの記事を参照ください。

https://knowledge.insight-lab.co.jp/aidx/google-teachable-machine-how-to-use

5. ツール比較

  • ユーザーインターフェースと操作の簡便性

    • DataRobot は高度なユーザーインターフェイスを提供。操作は直感的ではあるが、ある程度のデータサイエンス知識が推奨される。

    • AWS SageMaker Canvas はドラッグアンドドロップインターフェイスで初心者にも使いやすい。

    • Google Teachable Machine は非常に直感的で、プログラミング知識がなくても利用可能。

  • モデルの種類とカスタマイズ

    • DataRobot は幅広いモデル選択肢とカスタマイズオプションを提供。高度な分析ニーズに対応。

    • AWS SageMaker Canvas は基本的なモデルタイプをサポート。カスタマイズ性は限定的。

    • Google Teachable Machine は基本的な画像、音声、ポーズ検出モデルに限定。カスタマイズオプションは少ない。

  • データ処理能力と拡張性

    • DataRobot は大規模データセットと複雑なデータ処理に強い。

    • AWS SageMaker Canvas は AWSエコシステムとの統合により、データ処理とスケーリングが容易。

    • Google Teachable Machine は小規模データセット向けで、拡張性には限りがある。

  • 使用シナリオ

    • DataRobot は企業レベルのデータ分析、高度なビジネスインテリジェンス、リスク管理などに最適。

    • AWS SageMaker Canvas ビジネスアナリストや非技術者がデータ駆動型意思決定を行う場合に適している。

    • Google Teachable Machine は教育目的、趣味のプロジェクト、初心者の機械学習体験に最適。

  • コストと価格設定

    • DataRobot は高度な機能に対応する高価格帯。主に大企業向け。

    • AWS SageMaker Canvas は AWS の従量課金モデルに基づいたコスト。

    • Google Teachable Machine は無料で利用可能。

  • 強みと限界

    • DataRobot は強力なデータ分析機能と柔軟なカスタマイズが強みですが、コストが高く、初心者にはやや扱いにくいかもしれません。

    • AWS SageMaker Canvas は初心者に優しいユーザーインターフェイスが強みですが、高度なカスタマイズや複雑な分析は難しいかもしれません。

    • Google Teachable Machine はプログラミング知識が不要で手軽に利用できることが強みですが、専門的な用途や大規模なプロジェクトには向いていません。

6. まとめ

今回は DataRobot、AWS SageMaker Canvas、Google Teachable Machine という3種のAutoMLツールを簡単にではありますが比較してみました。

AutoMLツールの進化は、機械学習とデータサイエンスの民主化を促進し、より多くの人々がこれらの強力な技術を利用できるようになると思います(希望・・・)。今後も新しいツール、便利な機能が登場し、より多様なシナリオでの利用が可能になると思われます。

このナレッジを通じて、各AutoMLツールの特徴を理解し、それぞれのニーズに最適なツールの選択の参考になれば幸いです。

参考

橋口

執筆者 橋口