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【AWS】DMS移行の際のコスト計算方法

執筆者 Flo 更新日時 2024年12月10日

Topics: AWS 料金 DMS

目次

1.DMSコスト計算式の基本


DMSコスト計算式の基本は

インスタンス料金+ストレージ料金+データ転送料金 です。

ただ、例外が2つあります。

  • まず、移行先が以下のケースに当てはまる場合です
    • AZ・リージョンが異なる
    • AWS外のサービスである

   この場合、標準AWSデータ転送料金が追加で適用されます

  • 次に、ソースとターゲットのデータベースエンジンが同じである場合で、
  この場合、同種移行料金についての考慮が必要になります。

2.AWS Pricing Calculatorの使い方


AWS Pricing Calculator は、AWS製品の料金を見積もることができるWeb上のツールです。

利用方法

利用は以下のように行います。

  1. 見積もりの作成ボタンを押すとサービス追加メニューが出てくるため、リージョンを設定してから該当サービスを検索・選択する
  2. 該当サービス(今回はDMS)を選択したら、実際に使用する設定を入力していけば見積もりが簡単に作成できます。
  3. 計算式の詳細を知りたい場合は「計算を表示」タプルを開くことで見ることができます。

利用に際しての注意点

  1. 細かい料金要素の見落とし
    • 特定の細かい料金要素(例:データ転送の細かい条件や特殊なサービスの追加料金)が見落とされることがあるので、考慮する必要があります。
  2. 予期しない使用パターン
    • 実際の使用パターンが予測と異なる場合、見積もりが正確でない可能性があります。
  3. リアルタイムの価格変更
    • AWSの価格が変動することがあり、Pricing Calculatorに反映されるまでタイムラグがある場合があるので、公式ドキュメントを活用しましょう。
  4. 無料利用枠の考慮
    • Pricing Calculatorでは無料利用枠を考慮した計算を行っていないため、実際は無料利用枠分安くなる可能性があります。

3.実例


今回は、アジアパシフィックリージョン(ap-northeast-1)内で、EC2(PostgreSQL)からRDSへ1回きりの移行を行う場合の料金を計算するケースで、コスト計算の手順を説明していきます。

回線速度は100Mbpsと仮定し、その他移行要件は以下の通りです。 

データサイズ
70GB
インスタンス
r4.2.xlarge
インスタンスストレージ
汎用SSD
EC2インスタンスのOS
移行元移行先共にLinux
ストレージ単位
100GB
移行回数
1回きり
CDC(変更データキャプチャ )
なし

1.計算式の確認を行う

同一AZでAWSサービス内への移行を行う条件なので、この場合は基本の計算式での見積もりで問題ない

インスタンス料金+ストレージ料金+データ転送料金


2.AWS Pricing CalculatorでEC2の料金を計算

インスタンス料金の計算

  • テナンシーをデフォルトの「共有インスタンス」に設定

  • オペレーティングシステムを「Linux」に設定

  • ワークロードを「一定の使用量」に設定

  • インスタンス数は1

  • 移行するr4.2.xlargeとCPU・メモリが対応するタイプをEC2のサイト探し設定

    →この場合はm4.4xlarge

  • 支払いオプションは今回移行は1回きりなので柔軟性を重視した「オンデマンド」形式にします

⇒画面右下に表示されるサービスを保存して追加を押す


3.AWS Pricing CalculatorでDMSの料金の計算を行う

1回きりの移行なので、インスタンスと時間単位の料金説明がしやすいオンデマンド移行を行うものとします

  1. インスタンスの選択
    • インスタンス数は1
    • タイプは「r4.2.xlarge」
    • デプロイオプションは「Single」
  2. ストレージの選択
    • ストレージはデフォルトの「汎用SSD」
    • ストレージ量は「100」⇒画面右下の表示される「サービスを保存して追加」を押す
  3. 算出コストの微調整
    1. 実転送時間の見積もり

      外部のサイトを用いて転送時間を見積もります。

      今回は70GBの移行を100Mbpsで転送する仮定なので、伝送効率が50%だったとしても3時間程度で済む計算になりました。

    2. EC2料金

      Pricing Calculatorで算出されたEC2の計算式を見ると1か月分(730hour)分で計算されていることがわかります。

      なので、上記の計算式を実際の利用時間(この場合は3時間)に置き換えて再計算をした結果

      EC2料金は1*1.032USD*3= 3.096USD になります

    3. DMS料金

      DMSの移行料金、ストレージ料金もEC2と同様に、Pricing Calculatorで算出された以下の計算式の時間部分を、実際の利用時間に置き換えて計算しなおします

      再計算した結果は

      1*0.99USD*3=2.97USD +1*100*0.138USD=13.8USD =  16.77USD になります。

4.合計計算

手順3で算出した実作業時間の料金の合計を計算した結果がDMSのコストになります。

3.096USD+16.77USD =19.866USD


これでDMSのコスト計算は完了です。

Flo

執筆者 Flo