データサイエンティストとは
データサイエンティストの役割は、
ビッグデータなどから意思決定者(経営者など)が必要な情報を収集・分析し、
ビジネスに役立てることです。
インターネットの登場以来、
ビジネスの現場にはデータが溢れるように。
データサイエンティストという職業が誕生する前は、
データを収集する役割とデータを分析する役割は分かれていました。
しかし、ビッグデータの登場とともに、
データの収集・分析を今まで以上に密接かつ有機的に行う需要が増えたため、
データの収集と分析を一手に担うデータサイエンティストが誕生しました。
データサイエンティストの仕事内容・年収
それでは、データサイエンティストの具体的な仕事内容と年収を見ていきましょう。
データサイエンティストの仕事内容
一般社団法人データサイエンティスト協会では、
データサイエンティストを次のように定義しています。
「データサイエンティストとは、
データサイエンス力、データエンジニアリング力をベースにデータから価値を創出し、
ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル」
引用元:
http://www.datascientist.or.jp/files/news/2014-12-10.pdf
データサイエンティストの仕事は、「データをビジネスに活用すること」です。
データを収集しただけでは、ただの数字の羅列にしかなりません。
集めたデータから、ビジネスに活用する情報を抜き出し、
次の一手に活用できるようにすることが、データサイエンティストに求められます。
データサイエンティストの年収
データサイエンティストの年収は、どのくらいなのでしょうか。
データサイエンティストの平均年収は、
おおよそ600万円前後と言われています。
もちろん、大企業に勤務しているデータサイエンティストほど、
年収帯は高くなります。
一方、データ活用はスタートアップやベンチャー企業でも需要があります。
データサイエンティストは職務上、
経営層に近い位置での業務が多くなります。
そのため、年収帯が低くても、
ストックオプション等を狙えるポジションに就くこともできます。
データアナリストとの違い
データサイエンティストと似た職業に、
データアナリストがあります。
データサイエンティストとデータアナリストの違いはどこにあるのでしょうか。
データアナリストとは、
簡単に言うと「データの分析」をする職種です。
主にビッグデータを扱い、
クライアントの課題解決を導く役割があります。
一方でデータサイエンティストの仕事は、
データアナリストと比較して多岐にわたります。
データサイエンティストの仕事を一言で表すと、
「データを活用すること」です。
データサイエンティストはデータの分析だけではなく、
その前段階の現状把握(課題の洗い出し)や仮説の立案、
そこから目標設定やデータをもとにした改善案の考案など、
「データの活用」に関する幅広い業務を担うことになります。
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストとして活躍するためには、
「データの収集」「データの分析」は当然のスキルとして、
それ以外にも必要なスキルが挙げられます。
ビッグデータに関する知識
データサイエンティストとして、
ビッグデータに関わる知識は持っていた方がよいでしょう。
データサイエンティストは、
ビッグデータからの分析のみならず
「どのビッグデータから分析するか」などの
意思決定に関わることもあります。
そのような場面で、
ビッグデータそのものの知識があると役に立つでしょう。
コンサルティングスキル
データの知識だけでなく、
コンサルティングスキルも必要になってきます。
データサイエンティストは、データを分析した結果を、
ビジネスの意思決定に活用させる必要があります。
経営者などの意思決定者に分析内容を伝え、
組織を正しい方向に向かわせるためには、
コンサルティングスキル、すなわち、
データをもとにした提案スキルが重要になってくるでしょう。
BIツールのスキル
データサイエンティストとして、
BIツールのスキルも備えていた方が望ましいです。
データの分析結果を、
自分以外の人間(上司や経営者)に分かりやすく伝えるためには、
データのビジュアライズが必要です。
ビジネス(経営)に関する知識
データサイエンティストとして組織の意思決定に関わるうえでは、
ビジネスに関する知識も必要です。
データをビジネスに活用させるためには、
ビジネスの構造を理解していなければなりません。
経営者の意思決定をデータを使って支えるためにも、
ビジネス(経営)に関する知識は備えておきましょう。
AIを活用するスキル
データサイエンティストとしてキャリアアップを目指すためには、
AIを活用する技術は必須スキルです。
AIの発達(機械学習や回帰分析)により、
特別なスキルを持たない人でも、
データの活用をしやすくなりました。
例えば、Googleが提供している分析ツール「Googleアナリティクス4」においても、
機械学習モデルの導入が進んでいます。
現代は、今までは専門の知識が必要だった機械学習を、
誰でも使えるツールが行ってくれるような時代です。
AIに使われるのではなく、
AIを使うスキルを持つことで、
データサイエンティストとしての価値が生まれます。
まとめ
データサイエンティストは、ただデータを分析するだけではなく、
データをビジネスに活用することが仕事です。
データドリブン経営など、
データをビジネスに利用することが不可欠な現代において、
データサイエンティストの担う役割は非常に重要です。
一方、データサイエンティストは近い将来なくなる職業なのでは、
とも言われています。
Googleアナリティクスの無料ツールでさえも機械学習を導入するなど、
今までデータサイエンティストが担っていた分野の業務は、
AIに代替されつつあります。
データを用いて未来を予測する、
という行為そのものは、AIが得意とする分野です。
データサイエンティストとしてのキャリアアップ・スキルアップを目指す際は、
ただデータ分析をするだけではなく、
データを活用した意思決定の先に何があるのか、
意思決定によりどのような影響がビジネスに及ぶのかといった、
俯瞰的な視点が重要になってくるでしょう。