マーケティング活動の中で、MAという言葉を聞く機会も増えてきたのではないでしょうか。働き方改革が推進され、効率的なビジネスが求められる現代において、MAを理解して活用することは重要です。
この記事では、MAの機能やメリット、導入時のポイントを紹介します。
目次
MAとは
MAとはMarketing Automationの頭文字をとった略称で、日本語にすると「マーケティングの自動化(効率化)」のことです。
MAは、市場から新規顧客や見込み客(リード)を営業(フィールドセールス)に供給する活動を指します。いわゆるマーケティングやインサイドセールスを自動化することで、売上を効率的に上げることを目的としています。
MAの機能
MAには様々な機能があります。ここでは、MAの主要な機能を5つ解説します。
顧客情報の収集・蓄積
MAの機能の1つ目は、顧客情報の収集・蓄積です。マーケティングのみならず、経営企画や営業計画にも必要になってくる顧客情報を、MAを使って収集します。
収集したデータは一人ずつ管理するため、実際の計画をたてる際に生きたデータとして活用できます。
リードジェネレーション
MAの機能の2つ目はリードジェネレーション、すなわち、リードの創出です。
BtoB企業で言えば、営業スタッフが名刺の交換によって顧客との接点を作ること、BtoC企業で言えば、ポスティングなどを行うことなどがリードジェネレーションの具体例となります。
このようなリードジェネレーション方式は、時間リソースや人的リソースが比較的多く必要となることが課題としてあげられました。そこでMAを利用することで必要なリソースを削減し、効率的にリードジェネレーションすることが可能になります。
例えば、顧客行動をもとに、購買意欲が高まったタイミングでアプローチをするなど。MAによって各顧客に最適なアプローチが行えるため、営業にかける工数を削減することができるのです。
リードナーチャリング
MAの機能の3つ目はリードナーチャリングです。
リードナーチャリングとはリードを育てることを指します。せっかく獲得した見込み客も、その時はニーズがないという理由で放置しておくと、競合他社に流れてしまう可能性も。
MAを使えば、見込み客に対して自社製品の最新情報を届けたり、セミナーへの案内を出したりなどして、機会損失を防ぐことができます。
リードスコアリング
MAの機能4つ目は、リードスコアリングです。
リードスコアリングとは、その名前の通り見込み客の情報を数値化することを指します。
例えば、自社の商品を購入しやすいユーザーの属性(年齢・性別・家族構成・職業)や行動(メールの開封やWebサイトでの行動履歴)をもとにリードをスコアリングします。
その結果、受注確度が高いリードをフィールドセールス等に供給することで、効率よく売上に繋げることができます。
リード管理
リードスコアリングに付随して、見込み客の管理もMAで行います。リードの情報は鮮度が重要です。いくら情報が蓄積されていても、その情報が更新されず古くなっていれば、効果的なマーケティングやセールスを行えません。
情報を更新・維持し、リードの情報を管理することもMAの重要な機能の1つです。
MAのメリット
MAの機能が分かったところで、MAを導入するメリットを紹介します。
マーケティング分析が行いやすくなる
MAを導入することで、マーケティング分析が行いやすくなります。
マーケティングの基本は自社と他社の分析、市場の分析、顧客の分析ですが、MAを活用することで市場や顧客の正確な情報を得ることができます。
また、リード管理によって鮮度の高い情報を維持できていれば、それだけ確度の高い分析にも繋がります。
人に依存しない企業活動ができる
MAは、人に依存しない企業活動にも活用できます。
MAはデータを蓄積し、確度の高いリードをフィールドセールスに供給してくれます。
つまり、今まではベテランの営業社員が感覚的に行っていた顧客開拓なども、データをもとに再現性のある方法で行うことができます。
MAを導入する際のポイント
MAの機能が分かったところで、MAを導入する際のポイントを紹介します。
ステップ①MAを活用する目的を確認する
最初に、MAを活用したい目的を明確にします。MAを導入する際に目的を確認しておかないと、後々MAツールを選定する際やMA導入後に混乱を招くもととなります。
MA導入前が、社内で確認するのに一番適したタイミングです。この段階で、しっかり目的を確認するようにしましょう。
ステップ②MAの重要性を社内で共有する
MAを活用する目的がはっきりしたら、MAの重要性を社内共有し、MAツールを利用することを周知しましょう。
MAツールは導入すれば売上が増える魔法のツールではありません。使う側の人間が重要性を認識していないと、ソロバンの使い方しか知らない人が関数電卓を持っている、というような状態になってしまいます。
実際に、MAを導入したことに満足して、運用がおろそかになるケースが多くあります。MAツールを導入する前に、MAの重要性を共通認識としましょう。
ステップ③目的を達成できるMAツールを選定し、導入する
導入するMAツールを選定する時は、目的を達成できるかどうかを軸に考えましょう。
MAツールは比較的コストもかかるため、コストが安いツールを選ぶことになりがちです。
しかし、自社がMAをする目的が達成できなければ、MAツールを導入する意味がなくなってしまいます。
MAツールを選定する際は、コストではなく目的にあった機能がついているかどうかを軸にしましょう。
MAツール比較
最後に、MAツールの比較をします。
Adobe Marketo Engage
MAツールで最も代表的なツールの1つが「Adobe Marketo Engage(マルケト)」です。マルケトは米国発のMAツールで、BtoBの企業もBtoCの企業も活用できます。
ソニーやみずほ銀行などの大手企業もマルケトを導入しており、MAに必要な機能は網羅されています。
Salesforce Pardot
「Salesforce Pardot」は、セールスフォースが提供するクラウド型のMAツールです。
BtoBの企業に向いており、SFAシステムである「Sales Cloud」と連携することで、リードジェネレーションやリードナーチャリング、営業活動まで包括的に活用できます。
また、大日本印刷やコーセルなどが導入した実績があります。
Oracle Marketing Cloud
「Oracle Marketing Cloud」は日本オラクル株式会社が提供するMAツールです。
ターゲットを絞ったクロスチャネル・マーケティングが可能で、こちらもBtoBの企業に向いています。
Hubspot
「Hubspot」は、世界No.1のシェアを誇るMAツールです。
MA機能以外にも、SEO支援機能やCMS、LP作成・管理機能、見込み客リスト管理などの機能も実装されています。
Starterプランは月額6,000円から提供されているため、スモールスタートをしたい企業にもオススメです。
まとめ
効率的な企業活動が求められる現代において、MAを導入することは重要です。
MAを導入することで、顧客情報の収集蓄積のみならず、情報を活用することに繋がり、少ないリソースで効率的に営業活動を行うことができます。
MAを導入する際は社内で目的を共有し、自社の目的を達成できる機能のついたMAツールを導入するようにしましょう。