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よく耳にするSCMって結局なに?CRMとの違いも解説

執筆者 BI LAB編集室 更新日時 2021年12月14日

Topics: コラム CRM SCM
よく耳にするSCMって結局なに?CRMとの違いも解説

近年、IT技術の進展によってビジネスの効率化を実現する様々なツールが開発されてきました。そのような中、SCMやCRMといったワードを耳にする機会も増えてきたのではないでしょうか。

今日のビジネスでは、その規模が国境を越えて世界に広がり、情報や物流のスピードも速まっています。このような状況に適応できなければ、あっという間に競争力を失い、将来の成長も期待できなくなるでしょう。

そこで社内の情報共有や調達、製造などを含めたサプライチェーンの現状と、無駄を把握して効率化させるためのサポートツールが提供されるようになりました。

今回は、その中でも重要な役割を果たす「SCM」と「CRM」の2つについて解説します。この2つのシステムはそれぞれ独立して導入することも可能ですが、併用することで相乗効果を得ることも期待できます。

本記事では、SCMとCRMの基本的な定義や機能に加えて導入に際してのコツも記載しています。導入を検討している方はぜひ最後までご覧ください。

目次

SCMとは

SCMは「サプライチェーン・マネジメント」の略称です。その特徴について解説します。

 

SCMの特徴

まずサプライチェーンとは、製品の原材料調達から消費者に届くまでの、
一連のつながった供給プロセス(Supply Chain)のことを指します。

通常製品を製造する際には
「原材料調達」「製造」「物流・配送」「販売」といったプロセスを経て、
ユーザーの元に届きます。

この全体のプロセスは、
一社では完結しない場合も多く、
分業して一連のプロセスが完結するケースが大半です。

SCMは、このサプライチェーンの
すべてのプロセスまたはその一部を最適化(マネジメント)する手法を意味します。

単純に一つのプロセスだけに注目して効率化を図るだけでは、
全体から見ると改善効果が薄くなるため、
サプライチェーン全体の状況を俯瞰して無駄を排除し、
最適な調達・生産や在庫管理、人材配置などを達成することを目的とします。

その結果、コスト削減や最適な在庫量の設定、
物流の効率化などが可能となり、
企業にとって利益を出しやすい体制へと変わっていきます。

また納期の短縮によって、
顧客満足度の実現にも寄与することになります。

 

SCM需要の背景

近年、ビジネスが展開される範囲がより広くなり、IT技術の進展やEC化の波も伴ってあらゆる産業でグローバル化が進みました。

製造業においては海外からの資材調達や生産、国境を越えた物流などが主流になっています。一方で距離や地域の問題からサプライチェーンの各プロセスの状況を把握することが困難であることが、長年課題として挙がっていました。

そこでサプライチェーンに関連するデータをSCMシステムで集約することにより、全体の状況を把握したいという考えが出てきました。

また広範囲でビジネスが展開されると、人的資源の確保と最適な配置も課題となります。もし資材が予定通りに納品されない場合には生産がストップし、その間製造スタッフは何もできません。配送トラックも荷物を運べず待機となり、資源が無駄に消費されることになります。

このように、ビジネスの規模が大きくなるほどサプライチェーンの最適化は難しくなるため、SCMによる現状把握と改善活動が重要であると認識されるようになりました。

 

SCM導入のメリット

SCMの導入には様々なメリットがありますが、
主には在庫量の最適化と各プロセスの最適化による納期(リードタイム)短縮です。
そして、これらはすべて利益を向上させることにつながります。

在庫の最適化は企業にとって非常に重要な活動です。

在庫量が需要よりも少ない場合は、
顧客に製品を供給できずせっかくの販売機会を逃すことになります。

一方、在庫が過剰に存在する場合は、
管理コストが増加したり急な減産などの対応を迫られることになります。

しかし仕入れから製造、
物流などが常時把握できていれば、
生産量に応じた物流トラックの手配や人材配置など、
状況に応じて素早く適切な対応を取ることが可能になります。

これにより、無駄なコストを削減することができます。

 

SCM導入のデメリット

SCMの導入のデメリットは、投資が必要な点です。

取引状況や配送状況、
人材配置などの各プロセスの状況をデータとして収集し、
マネジメントできるように可視化する必要があります。

そして改善につながる意思決定ができるように、
社内にCRMに基づく意思決定プロセスを構築する必要があります。

そのためには、専属で仕事に従事するスタッフが必要となるでしょう。

しかし多くの場合、そのコストを差し引いてもサプライチェーン全体の効率化によって削減できるコストの方が大きくなるはずです。

 

CRMとの違い

CRMは「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略称で、
「顧客関係管理」とも呼ばれます。

一般的には顧客のコンタクト情報や、
自社と過去に取引した実績などを記録したデータベースであり、
主にセールスやマーケティング部門など顧客と接点を持つ部門において活用されるものです。

自社内で顧客についての情報を記録しておくことで、
競合よりも価値のある提案をしやすくなり、
また担当者でなくても顧客からの問い合わせに柔軟に対応することが可能になります。

CRMとSCMの違いは、フォーカスする領域が異なる点にあります。
SCMは上記の通り、製品の供給に関するプロセスに焦点を当てていますが、
CRMは企業と顧客や消費者とのコミュニケーションが対象です。

つまり扱うデータの種類が異なっています。

 

SCMとCRMを併用するコツ

異なる領域で利用されるSCMとCRMを併用することで、
より顧客のニーズを満たす効果的なサプライチェーンを構築することが期待できます。

例えばCRMには顧客属性やニーズ、趣向などの情報も記録することができます。

それらを開発や製造部門と共有することで、
顧客ニーズに合わせた製品を供給することも可能に。

逆に在庫状況や配送状況などのサプライチェーンの状況を
いち早く営業部門が把握できるようになることで、
企業活動全体の効率化を図ることができます。

もちろん導入時にはコストと、
円滑に新しいシステムを用いた活動ができるように
ルールを決めるなどの作業が必要になります。

しかし、
予め全社で企業活動の効率化と利益向上を達成するという目標を共有し、
計画を整合しておくことでスムーズな導入につながるでしょう。

 

SCMを導入するコツ

SCMの導入を検討する際には、まず目的を明確にしましょう。

ここまでの説明でSCMの導入により様々なメリットがあることは確かですが、
自社のビジネスに導入する場合には、
どの部分を対象に含めるのか、
また目標とする達成レベルを定めておきましょう。

SCMツールを提供する企業は数多くあり、
機能は多岐に亘ります。

自社で必要とする機能を含んだ最適な製品を選ぶためには、
事前検討が欠かせません。

また事前検討の際には実際にツールを利用する関連部門やIT部門との連携が必要です。

構築しようとする新たなシステムとプロセスが
目的に沿った結果を出すことができるか、
予め議論しておきましょう。

 

 

まとめ

ここまでSCMとCRMの特徴や導入時のコツについて説明してきました。

SCMはビジネスの規模が大きいほど導入に意義があると思いがちですが、
ビジネス形態が多様化し、その範囲も拡大する現在においては、
ビジネス規模に関わらずデータを活用して効率化を図るSCMの重要性は大きくなっています。

ぜひ本記事を参考に、SCMの導入を検討してみてください。

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