以前の記事で説明した【ドリルダウングループ】と【サイクリックグループ】はどちらも同じような機能を持ち、何がどう違っているのかわからない方も多いかと思います。
今回はその違いについて説明していきたいと思います。
ドリルダウングループとサイクリックグループの大きな違い
まず、2つの大きな違いは以下の点になります。
- ドリルダウングループ
⇒“大きな項目→次の項目→次の項目→…”のように順を追って詳細な項目へ遷移していく。[ドリルボタン]を押すことにより上の項目に戻ることができる。 - サイクリックグループ
⇒“項目A→項目B→項目C→項目A”のように各項目を[サイクリックボタン]を押すことで順番に遷移していく。
しかし、言葉で説明してもあまり分かりずらいと思いますので、実際に同じ要素のチャートを2つのグループを用いて作成してみましょう。
※今回は、ドリルダウングループで作成した円グラフのチャートを利用していきます。
各グループのグラフの作成
1.作成した円グラフをコピーします。
※チャート上で『右クリック→クリップボードにコピー→オブジェクト』でコピーします。
2.新しいシートを作成し、そこで『右クリック→シートオブジェクトの貼り付け』で貼り付けます。
3.貼り付けしたチャート上で右クリックし複製を選択し、同じチャートを2つ用意します。
2つのチャートの編集
1.2つのチャートをドリルダウングループとサイクリックグループを利用したチャートに分けます。
ドリルダウングループを利用するチャートの作成
1.ウィンドウタイトルに『分類別売上比(ドリルダウン)』と入力し【OKボタン】を押します。
サイクリックグループを利用するチャート
1.ウィンドウタイトルに『分類別売上比(サイクリック)』と入力します。
2.【軸タブ】をクリックします。
軸
1.【項目/グループ】から新たなグループを作成します。
2.【グループの編集】を押します。
3.【新規作成ボタン】を押し、グループの設定画面に移動します。
4.新規作成画面にて【グループ名】を『商品分類』、【グループ】を『サイクリックグループ』にします。
5.【項目】から『製品大分類』『製品中分類』『製品小分類』を追加します。
6.【OKボタン】を押します。
7.【項目/グループ】から、先ほど作成した『商品分類(サイクリック)』を軸項目に追加します。
8.【OKボタン】を押します。
これでチャートの設定は完了です。
それでは2つのチャートを比較してみましょう。
チャートの比較
ボタンを何も押していないとき2つのチャート(左:ドリルダウン、右:サイクリック)は同様に表示されています。
【テレビ】の項目を選択します。
ドリルダウングループでは【テレビ】の【製品中分類】に進みます。
それに対し、サイクリックグループでは分類は【製品大分類】のままで、【テレビ】が100%となっています。
ドリルダウングループでは【製品大分類】→【テレビ】の【製品中分類】へと進みました。
それに対し、サイクリックグループでは【製品大分類】のままで選択された【テレビ】の項目のみが表示されました。
この状態で【サイクリックボタン】を押します。
2つとも【テレビ】の【製品中分類】となりました。
もう一度【サイクリックボタン】を押します。
サイクリックグループでは【テレビ】の【製品小分類】となります。
ドリルダウングループでは、サイクリックグループのような表示はできません。
選択をクリアして初めの状態に戻してください。
【サイクリックボタン】を2回押し、【製品小分類】にしてください。
上図のようになります。これを見ると、サイクリックグループでは、項目内のすべての要素について比較することができます。
ドリルダウングループとサイクリックグループの違いについて多少は理解できたかと思います。
まとめ
以下に2つの使い分けをまとめます。
- ドリルダウングループ
⇒項目別に詳細を分析したい時に使用する。 - サイクリックグループ
⇒項目内全ての要素を比較したい時、もしくは選択した項目の要素を比較したい時に使用する。
ドリルダウングループ、サイクリックグループにはもっといろいろな使い分けができます。
今回は円グラフのチャートを例として使用しましたが、グラフや比較する要素によってどちらのグループが適しているかが変わっていきます。