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Power BIはこれからどうなる?22年4~9月のリリース予定まとめ

執筆者 BI LAB編集室 更新日時 2022年5月24日

Topics: ニュース
Power BIはこれからどうなる?22年4~9月のリリース予定まとめ

成熟期を迎えつつあるPower BIの機能リリース計画

Microsoftはこのほど、「Power BI」に関し、2022年4月から9月にかけてリリースを予定している機能などについて、その詳細計画を発表した。

なお、現時点ではあくまで予定であるため、今後提供タイムラインが変更されたり、予定されていたものの実際にはその機能がリリースに至らなかったりする場合もあるので注意したい。

「Power BI」は、従来、開発者でなければ行えなかったアプリ開発や、コンサルタントでなければ導入が困難だった自動化処理、専門のエンジニアにしかできなかった自然言語によるチャットボット開発などをローコードで誰でも作成しやすくするサービスとして構築された「Microsoft Power Platform」のひとつ。

いわゆるBI(Business Intelligence)ツールとして、多様かつ膨大な関連データを収集してまとめ、簡単に集計・分析を実行、データ結果に基づく迅速な意思決定をサポートする。

大量なデータ処理に適し、Excelなどより高速な処理が可能なほか、データ自動処理の事前設定による自動更新、リアルタイム共有での共同作業実施などにも向いた仕様となっている点に特長がある。

「Power BI Embedded」動向

「Power BI」をアプリに埋め込むことで素早く追加し、一から仕組みを構築せずともデータの可視化などが可能となるAzureサービスの「Power BI Embedded」では、次のようなリリースが予定されている。

「Power BI」のレポート機能を用いた、Jupyter Notebookにおけるデータ探索とストーリーテリング強化が、2022年9月にパブリックプレビューとなる。既存の「Power BI」コンテンツをノートブックに埋め込み、Pythonのpowerbiclientパッケージを通じてデータストーリーの一部として表示可能になるとされる。UXの変更を含むもので、機能は自動的に有効となる。

コンテンツ管理に展開パイプラインを用いるBI作成チーム向けとして、展開プロセス開始前に実施する変更の概要確認や、展開されるコンテンツと変更を説明したり記述したりするコメントの展開における追加といったことが可能になる。パイプラインへのアクセス権を持つユーザーには、パイプライン内の対象展開履歴の活動ログ機能が追加される。パブリックプレビューは2022年7月で、対象者には自動的に機能が有効化される。

また、組織の目標を埋め込み、主要ビジネス指標と目標を測定する機能が2022年5月に一般提供開始となる。人気WebフレームワークのVue.jsのライブラリ使用で、「Power BI」のレポートやダッシュボード、Q&Aなどを埋め込み、この分析を用いたアプリ運用を迅速に開始することも可能となる。こちらは2022年9月の一般提供開始を予定している。

チャージバックレポートを用い、埋め込みコストを管理、チャージバックプロセスの効率化を図れるISVについて、そのレポートとAPI機能が2022年6月にパブリックプレビュー、9月には一般提供となる。

「Power BI Premium」の動向

容量ベースライセンスで統合したBIを広く提供する「Power BI Premium」では、下記の新機能が予定される。

2022年7月にパブリックプレビューとなる先述の展開パイプラインと展開履歴にかかる機能に加え、よりエンタープライズの機密データを制御し、高度に保護できるよう、情報保護、脅威防止、クラウドアプリセキュリティに対応したセキュリティソリューションでの統合データ保護機能を、2022年4月にパブリックプレビューとする。

2022年5月には、DirectQueryモードのデータセット内にVertiPaqメモリ内集計テーブルを自動作成・管理し、自己学習型で自動最適化されるAI手動のシステムで自動的に維持、重複を最小限としながら大規模データセットのインタラクティブ分析でパフォーマンスを向上させる新機能や、VertiPaq内メモリキャッシュのパフォーマンスとDirectQueryのリアルタイム機能を組み合わせたハイブリッドテーブル機能が一般提供開始となる予定だ。

また、レポート作成のためのオンプレミスソリューション「Power BI Report Server」の強化が、2022年5月と9月に実施され、一般提供されるものとなる。

既存のAzure Pipelineと「Power BI」展開パイプラインをより迅速かつ簡単に統合可能とする、Azure DevOps拡張機能は2022年9月に一般提供開始となる。

このほか、予算管理を担う管理者が「Power BI Premium」の容量コストを最適なかたちで分配、チャージバックプロセスを合理化するためのサポート機能もレポートとして設け、2022年6月にパブリックプレビュー、9月に一般提供する予定とした。

「Power BI Pro」の動向

有償版、ユーザーライセンス型の「Power BI Pro」では、以下の機能リリースなどが予定されている。

2022年5月には、OutlookとOfficeハブから「Power BI」が利用可能となる完全統合がパブリックプレビューで適用され、コンテンツ検索や分析情報の発見・活用がシームレスに促進される。

PowerPointとの統合も行われ、「Power BI」をPowerPointでのプレゼンテーションに埋め込み、会議のエクスペリエンス向上や準備プロセスの効率化が図れるものとなる見通しだ。

翌6月には、より1つにまとめられた中心的ハブでデータを統合的に扱い、必要に応じて迅速に検出、再利用可能とする各種機能強化がパブリックプレビューで実施される。

2022年7月には、無償版も含む全ユーザーが利用できるため、かえって管理困難となっている自分のワークスペースにおけるガバナンス強化が実施され、コンプライアンス違反のリスク低減が図られるという。

また、分析を広く安全に共有する際に有用な「Power BIアプリ」について、同一ワークスペース内に異なるバージョンのアプリ作成を行うことが可能となり、さまざまな対象ユーザーに向けたアプリの作成と管理、公開、更新といったプロセスが効率的に行えるようにもなる。

2022年8月には、DAXを一から作成したり、組み込みテンプレートを用いたりせずとも、自然言語ステートメントを用いて計算を定義することにより、DAXメジャーを生成、短時間で必要な分析情報をシンプルに得られるクイックメジャー機能がパブリックプレビュー公開となる。

2022年9月には、状況に応じたオブジェクト上のコントロールで、新規ユーザーでもすぐに使いこなせる「Power BI」ビジュアルにおける対話改善や、「Power BI」サービスの作成ページにおけるデータのコピー・貼り付けのほかに一般的ファイルやオンラインサービス、データベースデータソースなどからデータテーブルを直接選択し、レポートの自動作成へつなげることが可能になる。

また、Microsoft Termsとの統合も進み、多様なTeamsチャネル、チャット・会議からデータへのアクセスが容易になるとされる。さらにExcelテーブルから「Power BI」データセットとレポートをスムーズに作成するための新規オプションの追加、OneDriveとSharePoint内から直に「Power BI」レポートの表示や編集を可能とする機能もパブリックレビューで追加する。

一般公開としては、2022年7月にアクセシビリティの改善で、スライサービジュアルにおけるキーボードナビとサポートの追加、テーブルナビゲーションの向上、コアシナリオに対する最大400%ズームのビューサポート、ビジュアルをテーブルとして表示するためのオプション追加、スマート説明ビジュアルの導入といった変更が適用される予定だ。

2022年9月には、管理エクスペリエンスとオペレーション機能の追加により、メンテナンスのオーバーヘッド削減などが実現できるようにする強化を施す。

さらにPower Appsと「Power BI」の連携強化を進め、これまでMicrosoft Dataverse環境に対する環境ライフサイクル操作として、「Power BI」コンテンツはサポート対象外だったが、新機能によりほとんどの環境ライフサイクル操作が可能になるともされている。

同じく、Power Appsと「Power BI」の連携強化として、2022年7月には「Power BI」のレポートとデータセットをPower Appsソリューションに組み込むことがパブリックプレビューで可能となり、2022年9月には、Power Appsから離れることなく「Power BI」レポートを作成し、アプリに埋め込むことも可能になる。

なお、これら2つの一般提供開始については、近日発表予定とされた。

(画像はPixabayより)

▼外部リンク

Microsoft 発表資料

https://docs.microsoft.com/

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