新機能来る
こんにちは。Deckです。
2025/05/07に、Qlik Sense Enterprise on Windowsの最新バージョンである【May 2025】が公開されました。
この記事ではQlik公式のアップデート情報を元に、注目の新機能や改変について迫っていきましょう。
アップデートの目玉
今回のアップデートにおける最注目の新機能は以下の通りです。
- 正規表現のネイティブ サポート
- ロードスクリプトでのJSONロードにネイティブ対応
- 選択ツールでの計算軸が可能に
- ストレートテーブルに縞模様を付けるオプションの追加
- マルチ KPI の終了
以下のセクションでそれぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
正規表現のネイティブ サポート
正規表現とは「この文字列の形式は正しい電話番号なのか?」や「URLの文字列からドメイン部分とそれ以降を分けて抽出したい」などのケースで利用できる、文字列に対してパターンマッチングを行うことができる機能です。
データ変換とロード、データ検証、データのマスクなどの処理が柔軟に行えるようになります。
正規表現の機能はロードスクリプトとチャートの数式の両方で利用可能です。
ロードスクリプトでのJSONロードにネイティブ対応
Qlik Senseでは今までもRESTコネクタを利用することでJSONデータを認識し、取り込みを行うことは可能でした。
今回のアップデートによりネイティブJSONサポートが加わったことで、より柔軟なデータの取り込みができるようになりました。
もちろん、ネストされたJSONファイルや配列を含むJSONファイルを認識して取り込むことも可能です。
選択ツールでの計算軸が可能に
選択ツールのアップデートにより、マスターアイテムとして作成された計算軸を選択ツールに表示できるようになりました。
この機能を使って、たとえば「売上が○○以上の店舗を選択したい」などの場合にその場で分析を行うことができます。
都度ロードスクリプトに編集を加えなくても疑似的な計算項目が追加できるようになり、分析がより加速しそうですね。
ストレートテーブルに縞模様を付けるオプションの追加
Visualization bundle のストレート テーブルで、行の背景色に対して交互に色を付ける、いわゆる縞模様の見た目になるオプションが追加されました。
革新的ではないかもしれませんが、痒い所に手が届くアップデートですね。
マルチ KPI の終了
残念ですが、今回のアップデート以降ではマルチKPIオブジェクトは作成することができなくなりました。
既存のアプリに存在するマルチKPIオブジェクトは引き続き表示はされますが、将来のアップデートでサポートが取り除かれる予定です。
その他のアップデート
その他、May 2025バージョンでは複数の新機能や改変が行われます。
Qlik Sense May 2025 の新機能(Qlik公式ヘルプ)もご覧ください。
- Window 機能の強化と修正
May 2025 のリリースでは、Window 機能の信頼性と使いやすさを向上させるため、いくつかの改善とバグ修正が行われました 。不正なソート動作、構文の不統一、Group By
句を含む Load
ステートメントで使用した場合の予期せぬ結果、極端な開始または終了式を持つスライドウィンドウの不正確さなどの問題が修正されています 。
- アプリのカスタム ロゴとメディア ライブラリの改訂
アプリのナビゲーション バーにカスタム ロゴを追加できます。これらは、テナントのナビゲーション バーに設定されているロゴを置き換えます。
- 高度な編集モードのアセット パネルの改善
高度な編集モードのアセット パネルが新しいルックアンドフィールになりました。
- マップ チャートの選択スタイル
マップチャートの選択項目の枠線の色をカスタムできるようになりました。これにより、地理情報の表示がより鮮明になり、視覚的な分析を助けます。
- マップ チャート WMS の改善
背景レイヤーWMSで基本認証のサポートが強化され、セキュリティを確保しながら多様なWMSサービスを容易に利用できるようになりました。
- 新しいツール バーのカスタマイズ設定
アプリケーションのツールバーに「シート」と「ブックマーク」へのショートカットボタンを直接追加できるようになました。この設定は、アプリの設定を開き、 [UI 設定] を選択することで構成できます。
- タブ付きコンテナ
新しいタブ コンテナは古いコンテナ オブジェクトが改良されたもので、ラベル、タブ、アイコンのスタイル指定と名称が新しくなっています。
- ビジュアライゼーション メニューのカスタマイズ
アプリ開発者は、右クリックメニュー(コンテキストメニュー)で使用できるアクションをアプリ設定で決定できるようになりました。
- バタフライ チャート
棒グラフに「バタフライ」という新しい表示オプションが追加されました。これはトルネードチャートとも呼ばれ、軸を挟んで2つのメジャーを比較するのに最適なチャートです。視覚的にインパクトのある比較分析が可能になります。
- 折れ線グラフにポイントと線を手動で追加
折れ線グラフに、特定の値を強調したり、ポイントと線を結んで傾向を示すための手動オプションが追加されました。
- レイアウト コンテナの改良
カスタム ツール ヒントでレイアウト コンテナがサポートされるようになりました。
レイアウト コンテナのサイズ変更中に Shift を長押しすると、チャートは同じ場所とサイズに維持されます。
- 散布図の改善
散布図では、バブルの枠線の色のオプションと、傾斜のある参照線のサポートが追加されました。
- ナビゲーション メニューの改善
ユーザーのフィードバックに基づいて、カスタム メニューを使いやすく更新しました。
- 非推奨オブジェクトの削除
非推奨のチャートをバンドルから削除してください。以下のチャートは、長期にわたりアセット パネルで使用できませんでした。まだ使用している場合は、より優れた新しい機能にアップグレードしてください。置き換えに関するヒントについては、ヘルプ セクションを参照してください。チャートは 2026 年 5 月に Qlik Analytics の配信から削除されます。
- ブックマークとレポートに現在の状態を含めるための新しい変数オプション
変数の現在の状態をブックマークやレポートに含めるかどうかを変数レベルで制御できるようになりました。
- 新しい詳細パネル
アプリケーションに新しい詳細パネルが追加され、所有者、更新日、作成日などの関連するアプリのメタデータを見つけやすくなりました。また、リロード スケジュールの編集やアプリの移動など、アプリ内でのアクションも実行できます。