目次
目的
- 情報量の多いダッシュボードにおいて、棒チャートの値を目立たせたい
- チャートに動きをつけて値の変動を強調したい
などの場面において、視線誘導の効果が期待される棒チャートを作成することが目的です。
なお、他にも効果的な手法は存在すると思われますが、今回は取りうる選択肢の1つとして紹介いたします。
使用データ
Tableau公式ページより入手できるsample_superstoreを使用する。
作成法
今回は簡易的に、月ごとの売り上げ推移を表現するチャートを作成していきます。
①はじめに売上金額を大まかに把握するため、売上金額の棒チャートを作成します。
月ごとの売上金額を見ると、最大の値は11月の350Kドル程度となっています。この値は後ほど使用します。
②ここから伸縮する棒チャートの作成に入ります。列に入れていた年月のピルを削除し、計算フィールドの作成→「ダミーのディメンション」と命名し、計算式に""を記述。これを列ペインに入れる。なお、ダミーのディメンションを作成する理由は後述します。
③次に、棒チャートの軸の設定を行います。ここで開始値・終了値を設定することで、その範囲内で伸縮する棒チャートになります。
先ほどの簡易的な時系列分析から、月ごとの売上金額は最大で350Kドル程度であることを把握しているので終了値は400,000としました。
今回は月ごとの売上金額推移を見たいので、月ごとのフィルターを作成します。
④年月データである項目Ship Dateをフィルターペインに入れ、右クリック→月を選択。続いてフィルターペインに入れた月ピルを右クリックし、表示されたフィルターを右クリック→単一値(スライダー)を選択します。これで月を1つ選択できるフィルターが表示されます。
以上で完成です。右側のフィルターから月を選択すると、棒チャートが伸縮して売上金額の変化を表現します。
このように伸縮する棒チャートを実現するには、ダミーのディメンションの作成と軸の範囲の設定の両方が必要となるようです。片方が欠けると単にチャートがフェードイン/アウトで切り替わるだけで、伸び縮みの動きが生まれません。
参考までに、ダミーのディメンションを削除したチャートを記載しておきます。
欠点・課題
このチャートの欠点としては、データの差異が小さな場合には効果が薄いことが挙げられます。
今回の例では3月と11月のように大きく値が異なる場合は、チャートが伸縮する動きも大きく視覚的な効果があります。一方で、3月と10月の売上金額はあまり差が無く、動きに気づきにくいと感じます。その場合は、本記事の手法を使用するか熟慮が必要でしょう。