はじめに
こんにちは!INSIGHT LAB株式会社のKin-chanです。IT業界に居なかった人がデータのことについて理解しようとするこのシリーズ。今回が第7回目となります。以下に過去の記事リストをまとめてみましょう。意外に回数重なってるんですね。
さて今回は。。。
第1章をまとめてみる
です。前回までの記事でDMBOK2の第1章データマネジメントについて追いかけてきました。追いかけてきたことをまとめてみます。
データは資産である
「お金やモノなどの他の資産と同様にデータも資産として扱おう」という記載がありながらも、「データを他の資産のように評価することは難しい」とも記載がありました。
「データを資産としてどのように評価するか?」が難しい、ということは、データを資産として評価できるようになれば、データマネジメントを推進する上での指標とし得ることも表しています。
データを評価するための方法例の中で、収入の部として自社がデータを販売した結果得られる利益、支出の部としてデータの保管/生成/修復/復元にかかるコスト、のそれぞれを計算してみては?という提案がありましたね。深堀していくと他の項目も出てくるでしょう。データマネジメントを推進する組織によってデータの価値をどのように評価するかを検討する必要があります。
データマネジメントは機能横断的で全社的な視点が必要
ここで言う「全社的」とは、IT側とビジネス(非IT)側との綿密な連携のことを指しています。
データという言葉が付いている事からどうしてもIT側中心で進めないといけないイメージがありますが、実際にデータを使ったり生成するのはビジネス(非IT)側ですから、IT側の技術先行であったり、ビジネス側の要件が先行しないよう、IT側とビジネス側が協調して、機能横断的にデータマネジメントを推進しましょうということでした。
またデータマネジメントを推進する体制として、CDO(Cheif Data Officer)、データガバナンス委員会、データスチュワードを含めたチームを組みましょうという話題も重要ですね。
リーダーのリーダーシップとコミットメントが必要
リーダーの発言として「君キミ、データマネジメントとやらをやっておいてくれ」ではいけません、ということでした。
リーダーを含めた組織の上位層の理解と発信があってこそ、現場担当者レベルも奮起して実施するものです。「データマネジメントは全社的な視点が必要」にもつながることですね。
データマネジメントを戦略的に推進するために「何を、どのようにして、指標を定めて、いつまでに実現するか?」について憲章/スコープ/ロードマップ等の成果物を定めて明示的にする
データマネジメントを推進する上の戦略を決定するために、ビジョン、基本理念、使命感、成功度合いを評価する基準、短期的なSMART(※)目標を定め、データマネジメントに係る戦略的計画案の成果物として憲章/スコープ/ロードマップを作成しましょう、とありました。
組織でのデータマネジメントの推進を目指すのですから、組織として戦略を立ててじっくりと実現を目指すことは重要ですよね。
DMBOK2の第1章ではデータマネジメントの概略を追いかけてきました。まずはデータマネジメント戦略を組むことが重要で、戦略を基に具体的にどんな施策があるのかについて第2章~第13章で述べていきますよ、というのがここまでの内容でした。
(※)
短期的:1~2年間
SMART:いわゆる「SMARTの法則」で言われているSpecific「具体的」 Measurable「計測可能」 Achievable「達成可能な」 Relevant「関連性」 Time-bound「期限が明確」 それぞれの頭文字から取ったもの
戦略を基に戦うことはわかったけど、そこまで時間がかけられないな
と仰る方もあると思います。正直なところ私も同じことを感じました。戦略を基に戦うことが重要であることは重々承知しています。時間がかけられない、または早い段階で目に見える成果が欲しい、PoC(Proof of Concept:概念実証)的に取り組んでみたい、などいろいろな視点があると思います。
こんな手順はいかがでしょうか?
データマネジメント戦略を立てることを目論見、データマネジメントによる目標なりゴールを定めてから、ゴールに向かうためにスモールスタート的に実行可能なこと、または優先度の高い箇所から取り掛かかる、という方針はいかがでしょうか。
スモールスタートで取り組みを開始し、少しずつ成果を出しながら取り組みを繰り返し、新たな目標や新たな取り組みを設定すること、をPDCA的に繰り返していくとよいでしょう。
スモールスタート的にできるところからというのは、例えば以下のようなものが考えられます。どちらもWEBで閲覧可能な形(≠Excelファイルで作成する)が理想であるとされています。
表1.データマネジメントの中でスモールスタート的に始められそうな事柄
作成するもの | 内容 |
データカタログ | 組織内のどこにどんなデータが存在してどのように生成されるのか等がわかる |
用語集(Glossary) | ビジネス側のみ・IT側のみのように、特定の部署だけが理解/使用している用語をまとめ、特定用語に対しての理解を組織内で共通の理解ができるよう仕組みを作る |
データカタログの例
データカタログの例として東京都のオープンデータカタログや横浜市オープンデータポータルというサイトがあります。また、著者が住んでいる千葉県には千葉県オープンデータサイト、千葉県船橋市には船橋市オープンデータカタログがありました。
オープンデータカタログを参照することによって、各自治体の「どんなデータが」「どこに置いてあるか」がわかり、「各データの持ち主(問い合わせ先)はどこか」が分かるようになっています。細かい話をすると内部的には「このデータはどのデータを基にしてどの場所に生成されるのか」というデータが生成される経路を記録しておくことも重要です。しかしながらデータ生成経路のように外部に公開するべきではない情報も存在するなど、データに対して情報統制を効かせる必要があることも検討が必要です。
自治体によってデータカタログの内容に違いがあるなと感じたことが2つありました。
1つ目は自治体によって公開しているデータの種類に多い/少ないの違いがあること。2つ目は、当該ファイルがダウンロードできるようにリンクが貼られているケース(こちらがメジャーかな)や、ブラウザ上で当該データが閲覧できるようになっているケースのように、データの公開方法が自治体によってさまざまであることでした。
ここでは例として自治体のデータカタログについて触れました。自治体のデータカタログは一般向けに公開されているものですが、企業内で参照できるデータカタログはもちろん社内向けにのみ参照可能とする形を取ることになるでしょう。
さいごに
長々とお送りしてきましたがここまでDMBOK2の第1章データマネジメントについて追いかけてきました。「物事を理解するために第1章は精読するべきである」という言葉がありまして、私が大学受験時代に通っていた予備校の英語の先生(1998年当時代々木ゼミナールにいらした英語の今井宏先生)の言でした。この言を基に初めの章をじっくり追いかけることは、今でも基本となる私の行動方針でありましてそれに則りました。今後もデータマネジメントに関する話題を投稿していこうと思います。
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